2018.04.21 - 明治安田生命 J1リーグ 第9節
清水エスパルス × FC東京
( IAIスタジアム日本平,13:00 )
J1リーグは今節から中2,3日で5連戦となる過密日程。常時ベストメンバーで試合に臨むことが現実的に厳しくなる中で、各チームがどのような戦略をとるのかが注目される。現在リーグ戦で5試合勝ち星から見放されている12位・清水は、ホームのアイスタに5位・東京を迎えての一戦。今季はホームで未だ勝利が無く、いずれの試合でも複数得点を奪えていないのが課題だ。東京は、前節のC大阪戦(A)を0-1で落とし、連勝が「4」でストップ。上位に踏みとどまるには連敗しないことが重要となるが、第6節の長崎戦(A)での負傷で離脱していた森重がスタメンに復帰。ほぼベストメンバーを揃えた。
前半はホームの清水がペースを握る。中盤でのこぼれ球や東京のミスからボールを奪い、手数をかけずに縦に速い攻撃を展開。特に前線で構えるクリスランが巧みなキープで味方の攻撃参加を促し、ゴール前での攻防を増やす。18分には中央のカウンターからPA内への侵入を許し、フリーの金子にラストパスを繋がれるが、シュートは林が手に当ててゴール右ポストを直撃。まさに間一髪だったが、シュートコースを可能な限り消す守備が功を奏し、何とかピンチを脱出。その後も依然として清水のペースが続き、こぼれ球を拾えない東京の攻撃は散発的だったが、何とか0-0で持ちこたえ前半を終える。
後半に入ると、前半とは打って変わり、東京が攻勢。自陣から中盤にかけてボールを拾えるようになり、少し距離は遠いが攻撃を作る場面が増えていく。56分には東が髙萩とのワンツーで中盤を抜け出し、ゴール前のディエゴにスルーパス。DFのマークを剥がしてディエゴの放ったシュートを六反が身体に当てて弾き、こぼれ球に永井が頭から飛び込むが、シュートは枠の左に外れてしまう。更に直後の58分には自陣でクリスランとのハードなマッチアップを強いられていた張賢秀が足を痛め、丸山に交代。東京にとってはやや悪い雰囲気になりかけていたが、試合が動いたのはその直後だった。59分、左サイドでボールを持った東が中央の大森にボールを繋ぐと、大森は意表を突くダイレクトの縦パスを選択。このボールに反応した永井が飛び出してきたGKより僅かに早くボールに触れると、ボールは転々とゴール右隅に転がり込み、ワンチャンスを生かした東京がリードを奪う。主導権を握りながらも先制を許してしまった清水は、鄭大世・デューク・白崎と前線のカードを次々に切って猛攻。対する東京は、前田を投入して前線で少しでも時間を作るよう対処。終盤にはDFが本職の岡崎をボランチに投入し、中盤で前を向かせないようしつこいチェイス。猛攻にさらされた最終ラインを助けていた。結局、永井の挙げた1点を全員で守り切った東京が勝利。消耗の激しいタフな試合だったが、だからこそ大きな価値を持つ勝点「3」を積み上げ、暫定で2位に浮上。敗れた清水は、圧倒的にゲームを支配しながらまたしてもホームで無得点に終わり、リーグ3連敗という苦しい状況となった。