2018.03.18 - 明治安田生命 J1リーグ 第4節
FC東京 × 湘南ベルマーレ
( 味の素スタジアム,15:00 )
リーグ戦3試合を終え、1分2敗と未だ勝利の無い東京。結果もさることながら、先制されてからパフォーマンスが低下する悪癖が依然として顔を覗かせており、低迷した昨季の「後遺症」からなかなか脱せずにいるのが現状だ。そんな中、14日に行われたルヴァン杯・新潟戦(H)では、久保の先制点を守り抜いて1-0と今季公式戦初勝利。チームとしてはこの良い流れを止めるわけにはいかない。今節のスタメンには森重を除いてルヴァン杯のメンバーをそのまま起用。前田・米本・太田がベンチ、室屋に至ってはベンチ外という大胆な起用に出た。対する湘南は、J2から復帰したシーズンながら、リーグ戦でここまで1勝2分の負け無しという上々の滑り出しを見せている。
前半の立ち上がりは互角の試合内容。湘南は積極的に前からボールを追い回し、李庭協・松田・梅崎の新戦力3人の前線に加えて、ボランチの菊地が2列目まで顔を出す3-3-3-1に近い布陣で東京のパスワーク寸断を狙う。これに動じずに回せる場面もありながら、守備の網にかけられて苦しい局面も散見される東京は、長いボールを蹴って前線のディエゴに収める形を併用しながら対応。徐々にボールキープのエリアを押し上げていく。前半が終盤を迎えると、37分に右サイドで岡崎と大森がダイレクトで回してから一気に逆サイドに振る展開や、直後の38分にディエゴが長距離のドリブルからフィニッシュを狙う場面などの良い形を次々に創出。湘南も菊地が本来のボランチの位置に下がるなど慎重な対応を見せ、0-0で前半を終える。
後半に入り、いきなりチャンスを掴んだのは東京。46分、中盤で相手からボールを奪った橋本からボールを素早く前へ運び、東のパスを受けたディエゴがPA外から右足を振り抜くと、強烈なミドルシュートがゴール右隅に突き刺さり1点を先制。前半からの良い流れをそのまま後半に持ち込み、リーグ戦では開幕節の浦和戦以来となるリードを奪う。この貴重な1点がピッチの空気を明らかに変えた。東京は前からボールを奪いにいく守備の出足が速くなり、中盤で湘南のパスをカットする場面を次々に作ると、そのままカウンターを仕掛けてゴール前を何度も脅かす。2016年に東京に所属した秋元の好セーブ連発もありゴールこそ奪えない東京だが、後半途中までに見せた攻守に渡る積極性はスタンドを大きく沸かせた。同点に追いつきたい湘南は右サイドにミキッチを投入して精度の高いクロスを送り続けるが、東京の守備が耐えきることに成功。若手や新戦力を中心とした大胆なメンバー起用がそのまま試合に勢いをもたらした東京が1-0で勝利し、リーグ戦では昨年9月以来となる大きな勝点「3」を手にした。