2018.02.25 - 明治安田生命 J2リーグ 第1節
大宮アルディージャ × ヴァンフォーレ甲府
( NACK5スタジアム大宮,16:00 )




 2018年シーズンのJ2開幕戦。昨季のJ1で最下位に沈み、3年ぶりにJ2降格の憂き目に遭った大宮は、J1再昇格を賭け、昨季終盤から就任した石井監督が契約を継続。チームの立て直しを期してのシーズンだ。昨季のJ1で喫した失点数「60」は最多であり、チーム本来の持ち味である緊密な守備を取り戻せるかが注目される。その大宮がNACK5スタジアムに迎える相手は、同じくJ1からの降格組である甲府。こちらも吉田監督が昨季に続いて指揮を執る。チーム最大の課題は、昨季のJ1で最少の「23」に終わった得点力の強化。新加入の金園を1トップに据え、昇格ライバルとの直接対決に臨む。
 試合は早い時間帯に動く。8分、大宮は左CKを新加入の中村がグラウンダーのボールでリスタート。ファーサイドでノーマークだったマテウスが蹴り込み1-0。大宮が見事なサインプレイを成功させ、リードを奪う。序盤に大宮のハイプレッシャーに晒され、受け身に回ってからの失点となってしまった甲府は、まずは試合を落ち着かせるところから着手。PAに入り込まれる前に跳ね返す場面を繰り返し、徐々に大宮のテンションをトーンダウンさせ、ボールの支配率を徐々に高めていく。同点の足掛かりが欲しい甲府だが、前半に得点の雰囲気が漂ったチャンスは32分にリンスの速攻から4vs3の数的有利の場面を作った場面くらいで、得点に繋がる糸口を掴めず。逆に大宮は前半ATにシモヴィッチのヘディングがゴール右ポストを叩くなど、着実にチャンスを作りながら1点差でハーフタイムを迎える。
 後半立ち上がりの50分、大宮は速攻から左サイドを突破したマテウスの低いクロスをシモヴィッチが押し込んで2-0。昨季まで名古屋で活躍したストライカーが移籍加入初戦でいきなり結果を出し、大宮にとっては大きな2点とリードとなる。甲府にとっては前後半共に出鼻を挫かれる形となってしまい、更に厳しい展開となったが、直後の51分にリンスがドリブルでPA内に侵入すると、攻撃参加からボールを受けた湯澤のクロスが中村のハンドを誘いPKの判定。リンスのキックは塩田が素晴らしい反応で防ぐが、キックの前に塩田がゴールラインから前に出たとして蹴り直しのジャッジ。リンスが1回目と同じコースへ冷静に決めて2-1とし、すぐさま大宮との差を詰める。一気に流れを掴んだ甲府は、前半から良いパフォーマンスを見せる湯澤の右サイドを使って攻勢を強めるが、サイドの警戒を強めた大宮に対して味方のフォローがなかなか増えず、「あと1点」が遠い。終盤は湯澤を左サイドに回し、システムも4バックに変更するなど甲府が工夫を見せたものの、後半ATのリンスとのパス交換から生まれた金園の絶好機もシュートブロックが入り、同点とはならず。結局、大宮が2点リードを逃げ切る形で勝利。流れの中からは得点を許さず、固い守備の復活を予感させた。甲府は可能性を感じさせる場面こそあったが、最後の1点が及ばず。課題の攻撃面でひと工夫が足りなかった。

大宮アルディージャ21前半01ヴァンフォーレ甲府
1後半1
マテウス8'得点54'リンス(PK)
ロビン シモヴィッチ50'

GK21塩田 仁史GK23岡 大生
DF 13渡部 大輔 DF 3邊 峻範
4山越 康平 4山本 英臣
2菊地 光将 6エデル リマ
5中村 太亮 MF 2湯澤 聖人
MF 17横谷 繁 19小塚 和季
8茨田 陽生 40小椋 祥平
7三門 雄大 16松橋 優
16マテウス 7堀米 勇輝
FW 9ロビン シモヴィッチ 10リンス
14清水 慎太郎 FW 17金園 英学
GK22笠原 昂史GK31岡西 宏祐
FP 6河面 旺成 FP 13太田 修介
10大前 元紀 20島川 俊郎
19奥井 諒 26佐藤 和弘
20酒井 宣福 28橋爪 勇樹
23金澤 慎 29ジュニオール バホス
39嶋田 慎太郎 34今津 佑太
監督石井 正忠監督吉田 達磨
マテウス8'得点
ロビン シモヴィッチ50'得点
塩田 仁史53'警告
得点54'リンス(PK)
交代71'堀米 勇輝
ジュニオール バホス
横谷 繁76'交代
酒井 宣福
交代83'松橋 優
橋爪 勇樹
酒井 宣福85'警告
交代86'山本 英臣
太田 修介
中村 太亮88'交代
河面 旺成
清水 慎太郎90'交代
大前 元紀
主審 − 中村 太観衆 − 11,777人
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