2018.01.01 - 天皇杯 全日本サッカー選手権大会 決勝
セレッソ大阪 × 横浜F・マリノス
( 埼玉スタジアム2002,14:40 )
昨季の大阪開催から関東に戻り、埼玉スタジアムでの開催となった天皇杯の「元日決勝」は、C大阪×横浜Mの顔合わせ。C大阪は準決勝で延長戦の末に神戸を3-1で下し、ルヴァンカップに続く今季二冠目に王手をかけている。チームはJ1リーグで3位に入り、来季ACLのプレーオフ出場権を確保しているが、天皇杯で優勝すれば来季ACLにカップ戦王者として本戦から出場できることになるだけに、シーズンオフの確保という意味でも非常に重要な一戦だ。対する横浜Mは、準決勝で柏を延長戦の末に2-1で撃破。今季限りでの退任が決定しているモンバエルツ監督の有終の美を飾ることができるか。
スコアは立ち上がりの8分に動く。横浜Mは左サイドの下平が早めに入れたクロスに対して伊藤が抜け出し、冷静なトラップからゴールを射抜いて0-1。準決勝でもゴールを挙げたホットラインで新年最初のゴールを飾る。横浜Mはバブンスキーと天野がC大阪のボランチ(山口・ソウザ)に対してプレスをかけ、後方で中町が潰し役となり中盤を制圧。C大阪は攻める時間帯を作ることができず、フラストレーションを抱えながら前半を終える。後半に入り、最初に仕掛けたのはC大阪。50分を過ぎ、サイドを使いながらギアを上げて横浜M陣内に攻め込む。横浜Mはロングカウンターで対抗し、この時間帯を何とかやり過ごそうとするが、C大阪が更にギアを1段上げる。65分、左サイドで時間を作ってから中央の水沼へボールを入れると、水沼がマーカーを外して強烈なミドルシュート。飯倉が辛うじてボールを弾くが、こぼれ球のクリアミスを拾った山村が押し込んで1-1の同点。後半に2度のペースアップを仕掛けたC大阪に、横浜Mの守備がゴールを許してしまう。その後はオープンな攻撃の応酬となるが、互いに守備が手堅い対応を見せ、1-1のまま試合は延長戦に突入した。
延長戦でチャンスを生かしたのはC大阪。95分、左サイドでのキープから山村が入れたクロスは、ファーサイドの水沼へ。水沼のヘディングがゴール左隅に転がり込み、C大阪が遂に逆転に成功。中澤を中心にセンターラインの堅かった横浜Mだが、その中央を越される形でリードを許してしまう。攻守の立場は入れ替わり、横浜Mは延長後半から前田を投入してサイドからボールを集めるが、C大阪は前線にいた山村を本来のポジションである最終ラインに下げ、5-4-1のシステムで鉄壁を構築。117分には下平のクロスがウーゴの頭にピタリと合うが、渾身のヘディングシュートは金鎭鉉が横っ飛びのスーパーセーブで弾き出す。ATには横浜Mが飯倉を攻撃参加させてのスクランブルを作るが、枠内にシュートを飛ばすことができず試合終了。攻守に勝負強さを発揮したC大阪が2-1で勝利し、今季二冠を達成。来季ACL本戦出場を確保した。敗れた横浜Mはモンバエルツ監督の最後の試合を勝利で飾れず準優勝に終わったが、挨拶後にベンチから引き上げるモンバエルツ監督に対し、大きな拍手が起きていた。