2017.10.21 - 明治安田生命 J1リーグ 第30節
FC東京 × 北海道コンサドーレ札幌
( 味の素スタジアム,16:00 )
直近3試合で勝利が無く、苦しい状況の続く東京。ホームに13位・札幌を迎える今節は、翌日に関東地方に接近する見込みの台風の影響を受け、強めの雨が降る中での試合。東京は前節の甲府戦(A)で退場処分を受けたウタカが出場停止。代わりに、前節メンバー外だった大久保が2シャドーの一角でスタメンとなった。一方、J1残留争いが続く札幌は、前節の柏戦(H)で3-0と快勝。今季はアウェイでの試合で未だに勝利が無いが、好材料も少なくない。アウェイ席を埋めた赤黒のサポーターからも大きな後押しの声が上がる。
試合は立ち上がりから高いテンションで入ってきた札幌が攻め込む展開。2分、さっそく都倉がPA近くまで持ち込み、強引に放ったフィニッシュは惜しくもゴール左ポスト。7分には福森のFKを再び都倉が合わせるが、今度はGKの大久保が鋭い反応で防ぎ、東京は肝を冷やしながらもゴールを守る。東京は攻撃を担う選手の持ち味を生かすために手数をかけず前へボールを繋げたいが、組み立ての段階でミスが目立ち、流れを引き寄せることができない。前半で数少ないチャンスとなった39分の決定機も、大久保の強烈なシュートはGKに弾かれて得点ならず、スコアは0-0のまま後半へ折り返す。
均衡が破れたのは、後半が始まってすぐの47分。札幌は福森の長い距離のFKを都倉が頭でPA内へ落とすと、フリーのジェイがワントラップからコンパクトに右足を振り抜き、シュートをゴール右隅に叩き込んで0-1。今夏の補強でチームに加わったストライカーの一発で先制に成功する。次の得点も札幌。59分、左サイドに流れた都倉のクロスをゴール前でフリーのジェイが頭で叩き付けると、ゴール右隅に決まって0-2。あっという間に札幌がリードを広げる。後半立ち上がりの守備の乱れを突かれて苦しい展開となった東京だが、64分に太田の右CKをファーサイドの張賢秀が頭で押し込み1-2。頼みのセットプレイで何とかビハインドを縮める。攻勢を強める東京は、76分に永井が果敢なチェイスから相手ゴール前でボールを奪取。絶好のチャンスを作るが、消極的なパスの選択で得点を逃し、スタンドからは大きな溜息が漏れる。その後も東京はシステムを4-4-2に変更してチャンスを窺ったが、守備を固めた札幌を前に次の決定機が巡ってくることは無かった。試合は1-2で終了し、札幌が今季初のアウェイでの勝点「3」を獲得した。J1残留に大きく前進する勝利に沸くアウェイ側スタンドと対照的に、得点の形がほとんど見えない低調な内容で敗戦を喫したホーム側スタンドは大きな不満の声に包まれていた。