2017.09.30 - 明治安田生命 J1リーグ 第28節
FC東京 × ジュビロ磐田
( 味の素スタジアム,16:00 )
前節、柏戦(A)で1-4の大敗を喫した東京。自陣でのミスからの失点によりリズムを崩してそのまま敗戦、という試合が多いだけに、巻き返しを図りたい一戦。ホーム・味スタに迎える相手は6位の磐田。夏場の破竹の勢いからはやや下降気味であるものの、成績では明らかに東京より上。前節同様に気を引き締めて臨みたい試合だ。東京は8月に負傷離脱していた室屋が復帰。前線は永井の1トップと、大久保・前田の2シャドーという初めての組合せとなった。
試合は両チーム共に攻撃の形は作るが決め手を欠く展開。東京はボールポゼッションを重視しながらチャンスを窺うという前節までと同様のサッカーを見せるが、前線の個人の力で打開を試みたり、復帰した室屋の中央へ入ってくる動きに合わせたりなど、攻撃のバリエーションを増やして対応。磐田は中村(俊)を右のアウトサイド、山田をトップ下に配した4-2-3-1を敷き、中盤をコンパクトにして東京の組み立てを封じる意図が見受けられたが、東京が主導する流れに同調するような形となり、なかなか波に乗ることができない。前半最大の決定機は41分の磐田。中村の左CKに飛び出した林が触れず、フリーの川又がシュートを放つが、シュートはクロスバーに弾かれ、東京が事なきを得た。スコアは動かず、0-0で前半を終了。
後半は東京がゲームを支配。53分にカウンターから永井→大久保と繋ぎ、最後は中央でフリーの髙萩がシュートを放つが枠外。58分には永井が左サイドから単独でマーカーを振り切ってPA内に侵入。クロスは中で合わず、惜しくもチャンスを逃すが、ゴールをこじ開けようとする姿勢にスタンドからは大きな歓声が上がる。防戦一方の時間が続く磐田だが、リーグで2番目に失点が少ない手堅い守備が集中を切らさず対応。特にクロスボールへの対応は見事なものだった。試合が終盤に入ると、再び高い位置からのプレスの強度を上げ、奪われてもすぐに奪い返してカウンターを仕掛ける姿勢も見せるようになる。東京も後方に気を遣う時間が続いたが、後半はこれといった大きなミスもなく、相対的に守勢に回る時間が少なかったこともあり、無難にゴールを守り切った。結局、両者決め手を欠き、0-0で試合終了。東京は仕上げの部分で課題が残ったものの、ポゼッションだけでなく個の力で打開する動きを交えながら攻撃を見せ、守備は無失点という、まずまずといえる出来。攻守共に残り次第を戦う上でのベースに成り得る戦い方を示した、良いスコアレスドローだった。