2017.09.10 - 明治安田生命 J2リーグ 第32節
東京ヴェルディ × 松本山雅FC
( 味の素スタジアム,18:30 )
J1自動昇格争い、そして昇格プレーオフ圏内争いが共に激しくなっているJ2。第31節を終え、残り11試合で6位・東京Vと7位・松本の勝点差は「1」。今節はこの両者の直接対決となった。勝利すればプレーオフ出場だけでなく自動昇格も射程圏内に入る一方、敗れると7位以下に後退するおそれもある。東京Vは6試合負け無し、松本も4試合負け無しと好調を維持してこの大一番を迎えた。
前半は共に様子見の空気が漂う展開。4バックを敷く東京Vは、守備に回る際に右ウイングの安西が一気にDFラインまで下りて5バックに移行する変則システム。松本の両サイドの幅を使った攻撃に対して明確な対策を講じる。攻撃では21分に右サイドを崩した安西のクロスをアランが頭で合わせるが、クロスバーに弾かれ先制はならず。松本は早い段階で前線の高崎にボールを預けて後方の攻撃参加を促す形を狙うが、決定機までには至らず。0-0で前半を終える。
慎重さが目立った前半と対照的に、後半は早い時間から積極的なフィニッシュが目立つ。互いにギアを上げた感が漂う中、先手を取ったのはアウェイチームだった。54分、東京V陣内での競り合いのこぼれ球にプレスをかけたパウリーニョがボールを奪取すると、そのままPA外からミドルシュート。コントロールされたボールは絶妙な弧を描いてゴール右隅に突き刺さり、松本が先制する。これで水を得た魚のような勢いとなった松本は一気に攻勢。59分、左サイド深くまで侵入した下川の折り返しを、混戦の中で高崎が落とし、最後はフリーの工藤が押し込み0-2。立て続けのゴールで松本が大きく試合の流れを引き寄せる。東京Vはアランとドウグラスの2トップを高木(善)がサポートする3-4-1-2にシステム変更し、前線から再び圧力をかけるが、松本の持ち味でもある迫力のあるカウンターで後方がピンチを招く場面が目立ち、試合は松本が圧倒的に支配し続ける。しかし84分、松本は自陣でハイボールの処理をした當間がトラップミス。これをドウグラスがすかさず奪うと、ドリブルで一気に持ち込んでシュートも正確に決め、1-2。趨勢が決まりつつあった試合は風雲急を告げる形となった。ここから東京Vの猛攻が続き、松本にとっては非常に厳しい時間が続いたものの、東京Vもあとひと押しが足りず。終盤の混沌を抑えて何とか1点差を守り切った松本が大きな勝点「3」を獲得し、一気に5位へ浮上。東京Vはプレーオフ圏外の9位まで後退した。