2017.09.03 - Jリーグ YBCルヴァンカップ 準々決勝 第2戦
FC東京 × 川崎フロンターレ
( 味の素スタジアム,19:00 )
ルヴァンカップ準々決勝、第1戦から中3日置いての第2戦。東京はアウェイでの第1戦を0-2で落とすビハインドの状況で、味スタでのリターンマッチを迎えた。第1戦でアウェイゴールを挙げられなかった東京は、この試合で1点でも失うと、3点差以上をつけての勝利しか勝ち残りの道が無くなるという極めて厳しい状況。第1戦からスタメンを2人入れ替えて巻き返しを狙う。対する川崎は第1戦では控えメンバー主体だったが、優位な状況にも関わらずほぼベストメンバーをスタメンに送り出し、必勝態勢で臨んできた。
まずは先制点を挙げて波に乗りたい東京だが、序盤からチャンスを作るのは川崎。7分に家長のクロスボールが東京ゴールのクロスバーを叩くなど際どい場面を作るなど、少ない人数ながら迫力ある攻撃を見せる。東京も20分過ぎからサイドを崩せるようになったが、川崎は東京の隙を虎視眈々と狙っていた。28分、川崎は自陣からロングカウンターで裏に抜ける動きを見せた阿部へラストパス。ドリブルからゴール前に持ち込んだ阿部が豪快にフィニッシュを沈め、川崎が1点を先制。失点の許されなかった東京にとって、致命的ともいえる失点だった。動揺を隠せず出足の鈍くなった東京に、川崎は攻撃の手を一切緩めない。直後の30分にPA内のワンツーで抜け出した阿部が再びゴールを陥れて0-2。40分には再び川崎のカウンターから板倉のシュートのこぼれ球をエウシーニョが押し込み、0-3で前半終了。東京は逆転のために6点が必要という、絶望的な状況となる。
見切りをつけた東京ファンが前半で席を立ち、ホーム側スタンドに閑散とした雰囲気の漂う中、少しでも奮起を見せたい東京だが、後半から守備固めで谷口を投入した川崎の守備を前に、ゴール前へボールを送り込むこともままならない状況。逆に54分、中央を割られて阿部にハットトリックとなる追加点を許し0-4。2分後には右サイドからワンツーで抜け出したエウシーニョに決められ0-5。沈黙だけが横たわるホーム側スタンドと対照的に、水色に染まったアウェイ側スタンドだけが大きく波打つ、異様な光景となった。ここから割り切りを見せた東京は何度かシンプルな形でゴールを脅かすものの、川崎の落ち着いた対応とカウンターによる反撃で流れを引き寄せられず。終了間際に永井のクロスを大久保がダイレクトで合わせ、1点を返すのが関の山だった。2試合合計7-1の大差により、川崎が準決勝進出。一方の東京は2戦を通じて全く良い状況を作れず、今季のタイトル獲得の可能性が潰えた。早々に横断幕を撤収したゴール裏スタンドからはブーイングも疎ら。「無言の抗議」が選手たちを迎えていた。