2017.08.11 - 明治安田生命 J2リーグ 第27節
ザスパクサツ群馬 × カマタマーレ讃岐
( 正田醤油スタジアム群馬,18:00 )
J2残留を賭けた大一番。現在最下位に沈む群馬が、21位・讃岐をホームに迎えての極めて重要な一戦。両者は前々節まで共に勝点「14」で並んでいたが、前節、群馬が後半ATの失点で山形に敗れたのに対し、讃岐は水戸を2-0で下して勝点を「17」に伸ばしている。群馬にとっては勝利で讃岐に勝点で並び、次節の20位・山口との試合に繋げたい狙いがある。讃岐にとっても、勝利すれば20位に浮上してJ2残留圏内に浮上できるチャンス。客入りは盆休みながら2,000人台と寂しい数字になったが、サポーターのテンションは高い。
試合は思いがけない形で動く。13分、讃岐が右サイドから攻撃を仕掛けるが、群馬DFがゴール前で上手く身体を入れてGKボールとなるところ、完全に余裕のあったGK・牲川のトラップが長くなり、慌ててクリアを試みるが、前線に残っていた武田がこぼれ球を頭で押し込み讃岐が1点を先制。勝利が欲しい群馬にとって、ミスからの失点という最も嫌な形でリードを許してしまう。仕切り直したい群馬の攻撃は、シンプルに前線の姜修一を狙うロングボール主体。讃岐もセーフティなプレーでCKに逃げる場面が多く、15分に左CKを呂成海が合わせるが枠の右。27分にも松下のフィードからゴール前で混戦を作るが、最後を押し込めず。前半の群馬はこぼれ球を讃岐に拾われ、厚みのある攻撃をできないまま0-1で後半へ折り返す。
後半の群馬は攻撃の手を強め、DFラインも非常に高く設定。しかし味方同士がなかなか連動した動きを作れず、讃岐がボールを奪うと一気にDFラインの裏へ蹴るため、DFラインが激しい上下動を余儀なくされる難しい展開。それでも群馬は高井・石田と前線の選手を投入し、飽くまで攻撃。68分に姜修一の右からのクロスをファーサイドの高瀬がフリーでフィニッシュ。これは防がれるが、後半最初の決定機を作ると、その次のCKの流れから、こぼれ球を拾った松下がドリブルでPA前まで持ち込みミドルシュート。讃岐DFが何とかカットに入るが、リフレクションを姜修一が押し込み、1-1の同点。執念で讃岐のゴールをこじ開けたことで逆転ムードが高まる中、群馬は引き続き攻撃の手を緩めずに攻め続け、84分には石田のミドルシュートが枠の僅か上に外れるなどあと一歩の所まで讃岐を追い詰める。だが、依然DFラインを高く設定していた群馬に落とし穴が待っていた。89分、自陣でボールを奪った讃岐がロングフィードで再びDFラインの裏を狙うと、これを受けた途中出場の綱田がPA内に抜け出す動きを見せた馬場へラストパス。PA内右でフリーとなった馬場が右足でファーサイドに冷静に流し込み、土壇場で讃岐が勝ち越し。ATの群馬のパワープレーも実らず、1-2で試合終了。劇的な勝利を挙げた讃岐は、20位・山口が敗れたためJ2残留圏内に浮上することに成功。一方の群馬は、苦しい状況で何とか追いつきながら、勝点3に固執するあまり後方のリスク管理が足りず、結果として勝点1すら取りこぼすことに。重い足取りの選手を、群馬サポーターは沈黙で見届けていた。