2017.06.25 - 明治安田生命 J2リーグ 第20節
FC町田ゼルビア × 東京ヴェルディ
( 町田市立陸上競技場,18:00 )
共に都内に本拠を置く町田と東京Vによる、今季1度目の「東京クラシック」。ホームの町田は春先から長い苦戦を強いられている。直近10試合で2勝、3試合連続勝利なしの17位。好材料は、負傷者が徐々に戻ってきていること。今節はシーズン開幕前の負傷で離脱していた中村がベンチ入りした。対する東京Vも、直近5試合で1勝とやや勢いに翳りが見られるが、勝ち点37の首位・福岡を勝ち点31で追う6位につけており、今節こそ1勝を着実に拾いたい一戦。
試合は両者の力関係が如実に表れる内容。6分、東京Vは右サイドの安在を起点にアランが抜け出し、クロスの折り返しをボランチの渡辺が頭でプッシュ。あっさりと1点を先制する。町田は東京Vの3トップと両WBに圧力をかけられ、DFラインが数的に厳しい状況を作られることで、守備で上手く相手を嵌めることができない。それでも決定的な追加点だけは許さず、0-1でハーフタイムを迎える。
試合の趨勢を左右する追加点の行方が注目された後半も、早々にスコアが動く。51分、東京Vの右CKに畠中がヘディングでゴールネットを揺らし、昨季所属した古巣相手に大きな追加点。更に56分、今度は中盤でのパスカットからショートカウンター。内田のスルーパスにフリーで抜け出したアランが決め、スコアは0-3となる。今季、複数失点を喫した試合が「3」しかない東京Vにとっては盤石に近いリードだったが、町田は64分に縦一本のパスに抜け出した吉田が決めて1-3と反撃の狼煙。71分には故障から復帰した中村を最後の交代枠でピッチに送り込み、勝負に出る。しかしここで再び東京Vが強さを発揮。77分に左CKの流れから安在がPA内にドリブルで切れ込み、ほとんど角度の無い所から強烈なシュートを叩き込むスーパーゴール。粘る町田の心を折る4点目を挙げ、試合を決定づけた。町田は90分に途中出場の戸高が鮮やかなミドルシュートを決めて再び2点差としたが、反撃もここまで。結果的に派手な撃ち合いとなったが、守勢に回った時間帯でシステムを3-5-2に変更するなど柔軟な対応を見せた東京Vが地力の差を見せつけて3位に浮上。一方の町田は不安定な守備を立て直せず4試合勝利無しの難しい状況となったが、それでもサポーターからは拍手や激励の声などポジティブな反応が多く見られた。