2016.06.21 - 天皇杯 全日本サッカー選手権大会 2回戦
FC東京 × AC長野パルセイロ
( 味の素スタジアム,19:00 )
秋場から年末にかけての過密スケジュール緩和のため、例年より大幅に早い4月開幕となった天皇杯。シードされているJ1・J2の各クラブは2回戦からの登場となるが、それも6月開催となった。初戦を迎える東京の相手は、1回戦で三重県代表の鈴鹿アンリミテッドを破ったJ3・長野。現在はJ3の首位争いからはやや出遅れているが、今季から就任した浅野監督のもと、新たなチーム作りを進めている。
試合はスローな立ち上がり。18日のリーグ戦から中2日の試合となった東京は、吉本を除くスタメン10人を入れ替え。長野も直近のリーグ戦からスタメンを全員入れ替えたためか、互いに様子見の雰囲気が漂う。それでも31分、長野が中盤のパスカットから最初のチャンスを作ると、徐々にスピードアップ。その後は東京が攻め込むが、0-0で前半を折り返す。後半に入って57分、なかなかゴールを割れない東京は河野を下げて中島を投入。すると64分、右サイドでボールを収めた前田のドリブルの突破から、早いタイミングのグラウンダーのクロスを中央の中島が押し込み、東京が先制。交代策が見事に的中し、東京が勢いで押し切る展開になるかと思われた。しかしパス回しだけはスムーズに繋がるものの、なかなかゴールに迫れない東京。75分の中島のシュートはクロスバーに嫌われ、77分には永井を投入するものの速攻が実らない。その間、長野は前線の配置を変え、右サイドの勝又を左サイドへスライド。ここから徐々にチャンスを作ると、87分にその勝又の攻撃から獲得した左CKを内野がヘディングで合わせ、終盤で長野が1-1の同点に追いつき、試合は延長戦に入る。
延長に入って直後の92分、東京は永井のクロスに前田が完璧なヘディングで合わせるものの、シュートはゴール右ポストを叩き、再び勝ち越しの絶好機を逸する。その後は守備の落ち着きを取り戻した長野に対し、なかなかギアを上げられない低調なパフォーマンスに終始した東京がほとんどチャンスを作れず、延長戦を終了。勝敗の行方はPK戦に託された。PK戦で先攻を取った東京は、確実に決め続けてプレッシャーをかけたかったが、3人目の阿部のシュートがGK・武田に防がれてしまい、最初の失敗。対する長野は5人全員がきっちりとシュートを成功させ、実にあっさりと勝利。リーグ戦からメンバーを入れ替えた中で、120分をしっかり戦い抜いた長野が見事なアップセットを実現して3回戦進出を決めた。東京は先行する展開ながら追加点をチャンスを逃し続け、長野のプラン変更に対して全く手を打たないまま同点弾を許し、低調なパフォーマンスのまま初戦敗退。リーグ戦にも影響を及ぼしかねない、極めて深刻な敗戦となった。