2017.05.21 - 明治安田生命 J2リーグ 第15節
FC岐阜 × V・ファーレン長崎
( 岐阜メモリアルセンター長良川競技場,19:00 )
今季から大木新監督が就任し、パスでの組み立てを主体としたサッカーに転換を図る岐阜。開幕直後は躓いたものの、徐々に内容が改善し、4月を無敗で乗り切った。しかし、5月に入ってからの直近3試合は勝ち無しと再び勝ち星から見放されている。対戦相手の長崎はここまで勝利が先行しており現在は8位。上位との差が詰まっている状況でもあり、勝利を期しての一戦。今節はチームトップの8得点を挙げているファンマを控えに置いてのスタート。
試合が最初に動いたのは、23分の長崎の直接FKの場面。PA内で北谷に対する福村のファウルがあったとしてPKの判定。微妙なジャッジに岐阜の選手が不満の声を上げる中、木村が決めて長崎が先制。更に42分、前線で澤田が自身の競ったボールに対してプレス。これに対して福村が処理を誤った所に詰めた木村がGK・ビクトルの位置を見極めた絶妙なループシュートを沈め、0-2とする。澤田と木村を前線に並べた2トップのシステムが的中した長崎だが、リードを広げた直後の岐阜のCKの競り合いで乾が阿部を倒したとして、今度は岐阜にPKの判定。これを難波が決め、1-2として前半を終える。
後半から古部を投入して布陣を1トップに変更した長崎は、51分に左サイドを崩した島田のクロスにニアの木村がコースを変え、ファーサイドに詰めた飯尾が押し込んで3点目を決め、岐阜を突き放しにかかる。岐阜も64分に福村のスルーパスをフリーで受けた古橋がGKとの1vs1を流し込んで2-3と再び1点差。粘りを見せる。満を持してファンマを投入した長崎は、1点差のまま終盤を迎えた86分に右サイドの飯尾のクロスにニアのファンマが囮となり、中央の翁長が頭で合わせて2-4。これで試合はほぼ決したかに思われた。しかし、今日の岐阜はここから驚異の粘りを見せる。直後のKOの流れからゴール前のパワープレイに持ち込むと、古橋が競ったこぼれ球を途中出場のクリスチャンが拾い、PA内右の狭い角度ながらニアにねじ込んでまたしても1点差。ヘニキの出場停止により外国籍選手枠が空いたことで出場機会を得たクリスチャンのデビュー戦ゴールが決まり、長良川のテンションは更に高まる。そして後半AT5分、小野のリスタートからのロングパスを受けた福村の左からのクロスを阿部が頭で折り返し、最後は中央の田森が気迫のオーバーヘッド。完璧なシュートがゴールネットに突き刺さり、試合は土壇場で4-4の振り出しに戻った。直後のKOによるリスタートでは、長崎がロングボールを入れて最後に島田がボールを押し込み、再び長崎が勝ち越しかと思われたが、リスタート前に長崎の選手が岐阜陣内に入ったとして得点は取り消しに。結局、試合は4-4の痛み分けとなったが、滅多に観られない壮絶かつ劇的な幕切れに対し、岐阜サポーターは大きな拍手を贈っていた。