2017.05.14 - 明治安田生命 J2リーグ 第14節
東京ヴェルディ × ジェフユナイテッド千葉
（ 味の素スタジアム,19:30 ）
前節から中3日の水曜夜開催となった、J2･第14節。味スタで行われる東京V×千葉は、ロティーナ監督とエスナイデル監督のスペイン出身指揮官同士の対決という興味深い顔合わせとなった。ここまでの両チームの戦い方は好対照。東京Vは昨季までの守備をベースにした戦い方を継続し、今季はここまで4位と好調。特に失点数は、横浜FCに次いで少ない｢9｣である。対する千葉はDFラインを非常に高く設定してプレスをかける攻撃的なサッカーに取り組む中、勝ち点は思うように伸びずに現在12位と苦しんでいる。それでも前節は清武のハットトリックなどで長崎に5-0の快勝。勢いを持続したい。
前半は互いが主に守備で持ち味を出す内容。千葉は最終ラインを高く押し上げ、プレスをかけて東京Vのミスを誘う戦い方。ボールを奪ってからは船山を中心にボールを集めてゴールに迫るが、東京Vの3バックの守備がしっかり中央を固めて対応。唯一、41分に中央の密集から裏に抜け出る動きをした船山にパスを通されてフィニッシュに持ち込まれるが、シュートは枠の上に外れて事なきを得る。後半に入っても最初の決定機は千葉。48分、左サイドを抜け出したラリベイのグラウンダーのクロスを船山が落とし、フリーで詰めてきたアランダがフィニッシュするが、シュートはゴール左ポストを叩いてしまい、またしても先制のチャンスを逃してしまう。こうなると、徐々に流れは無失点で耐える東京Vの方へ。55分、熊谷のロングパスを途中出場のドウグラスがカットすると、そのままドリブルで攻め込み、フリーのアランにスルーパス。これをアランが左足で冷静に流し込み、東京Vが先制する。千葉は直後にラリベイに代えて指宿を前線に投入し、収めどころを作ろうとするが、後方でパスを回すDFラインと前線を繋ぐ中盤の役割を果たす選手の動きが乏しく、効果的なボールがなかなか出てこない。相手が反撃にもたつく間に、東京Vは着々と試合の仕上げにかかる。69分、中央から左サイドへ振ったボールに走り込んだ安在が折り返すと、中央で受けた高木(善)が受け、最後はマーカーの股を抜くシュートをゴール左隅に突き刺して2-0。77分には、ほぼ捨て身の状態で後方が完全に疎かな千葉に対し、ロングボールから再び高木(善)が決めて3-0。これで試合は完全に決まった。相手のミスやカウンターから淡々と得点を重ねる東京Vと対照的に、千葉は先制を許して以降に全くといって良いほど見せ場を作れず。結局、3-0のまま試合終了。スペイン出身指揮官の対決は、攻守のクオリティに大きな違いを見せたロティーナ監督のチームに軍配。一方、結果･内容共に完敗を喫した千葉のサポーターは、応援の横断幕を取り外し、選手を無言で迎えるという厳しい態度で選手の挨拶を見届けた。
