2017.04.01 - 明治安田生命 J1リーグ 第5節
FC東京 × サガン鳥栖
( 味の素スタジアム,16:00 )
日本代表のW杯予選による中断により、2週間のインターバルを挟んでのリーグ戦。第4節までで3勝1敗の2位という上々のスタートを切った東京は、フィッカデンティ監督率いる鳥栖との一戦。日本代表にも召集された髙萩の骨折による離脱の影響で、田邉がボランチでスタメンとなった。一方の鳥栖は、3月にコロンビア代表のイバルボが移籍加入。前線に強力な個を揃えて乗り込んできた。互いに古巣との対戦となった林と権田の両GKにも注目が集まる一戦。
試合は開始早々に動く。3分、鳥栖のイバルボに収める放り込みに対して丸山が頭上を越され、PA内で対応の遅れた森重がファウルで止めてしまい、PKの判定。PKを豊田がど真ん中に蹴り込み、鳥栖が先制する。前半の東京は組み立ての途中でミスが散見され、チャンスも散発的。ボールは支配するものの、鳥栖がほぼ主導権を掌握したまま後半へ折り返す。なんとか流れを変えたい東京は、後半に東・ウタカを投入。ボランチの位置で持ち味を発揮できていなかった田邉を下げて橋本をアンカーとし、ウタカを最前線に据えた4-1-4-1のシステムへ移行する。すると、この戦い方が見事に機能。70分、PA内にドリブルで侵入した阿部が右サイドから折り返すと、中央のウタカが強烈なヘディングを突き刺し、1-1の同点。76分には、東から室屋へのサイド展開から得た右CKを太田が蹴り、クリアボールに権田と豊田が被ってボールがこぼれた所を橋本がボレーでプッシュ。鳥栖の連携ミスにも付け込んだ東京が2-1と逆転に成功する。鳥栖の反撃にカウンターで対抗する東京は、86分にもロングボールに権田と金敏爀の対応が曖昧になった所をウタカが無人のゴールに流し込み、3-1。またしても相手のミスによる追加点を得たことで、試合はこれで完全に決したものと思われた。だがその直後、鳥栖の前線への放り込みで豊田が落としたボールに林と森重がお見合いのような形となり、混戦を鎌田が押し込んで1点を返す。更に90分、再び前線への放り込みを豊田が競り合いで落とすと、その先に待っていた趙東建が咄嗟に右足のヒールキックでシュート。完全に虚を突かれた林は反応しきれず、ゴールネットにボールが吸い込まれて3-3の同点。鎌田の追撃弾の直後、即座に趙東建を投入したフィッカデンティ監督の即断即決の采配が実を結ぶ形に。東京は85分に吉本を投入して5バックに移行したが、前線での圧力が薄くなったことで鳥栖の得意なゴール前への放り込みからの混戦を何度も作られてしまい、ほぼ手中にあった勝ち点3を取りこぼす大失態。スタンドからは厳しいブーイングが上がった。