2017.03.12 - 日本フットボールリーグ 1stステージ 第2節
ヴィアティン三重 × ソニー仙台FC
( 四日市市中央緑地陸上競技場,13:00 )
昨季の地域CLで2位に入り、クラブ創設から僅か6年目という「スピード出世」でJFL昇格に成功したヴィアティン三重。スタジアムを中心とするハード面に課題を残す状況ではあるが、全国の舞台で三重の存在をアピールすることで県内の気勢を更に盛り上げたいシーズンとなる。前節、アウェイで行われたホンダロックとの開幕戦は2-2のドローだった。今節は全国リーグの舞台で初のホームゲーム。対戦相手はJFLの古豪・ソニー仙台。攻守にバランスの取れた強敵を相手にどう戦うか、三重の実力がさっそく試される一戦だ。
前半は一進一退の攻防。先手を取ったのは三重。19分、左サイドから中央に侵入した和波のシュートのこぼれ球を高田が押し込み、記念すべきホーム初得点をマーク。長短のパスを織り交ぜ、バリエーションに富んだ攻撃が続いた中でのゴールとなり、四日市のスタンドが盛り上がる。しかし喜びも束の間、26分にソニーも右サイドを崩した秋元のグラウンダーのクロスをニアの内野が跨いでスルーし、ファーサイドで完全にフリーだった菅井がダイレクトで豪快に決め、1-1の同点。互いにサイドの裏を突いていく緊迫した展開が続く。しかし追いつかれた三重はソニーの固い守備の前にも動じてはいなかった。前半ATに入って直後、右サイドを味方とのパス交換で攻め上がった寺尾がシュート性の鋭いクロス。ニアの金子(貴)がカットに入るが、強烈なスピンのかかったボールが僅かに当たり所を狂わせたか、クリアミスとなったボールがゴールに転がり込み、三重がオウンゴールで1点を勝ち越してハーフタイムに入る。後半に入っても三重は攻撃の手を緩めない。反撃を意図してかDFラインを高めに設定したソニーに対して裏へと縦のボールを積極的に入れ、こぼれ球も支配して波状攻撃を繰り広げる。54分、稲森の縦パスに反応して抜け出した加倉がGKとの1vs1を冷静に決め、3-1とリードを広げることに成功。その後もソニーの守備が覚束ない場面が目立ち、三重の勝利は着実に近づいていた。だが74分、ソニーはPA内に侵入した内野がGK・ゴベッチに倒されてPKを獲得。キッカーの秋元が決めて1点差とし、ソニーもようやく息を吹き返す。直後の78分には途中出場でピッチに入ったばかりの鈴木に崩されて決定機を許すが、ゴールライン直前でDFが掻き出す素晴らしい守備を披露。2失点は喫したものの、加藤・野口の両CBの守備は非常に質が高く、ソニーの攻撃陣に競り負けていなかった。終盤のソニーのパワープレイをしのぎ、タイムアップのホイッスル。記念すべきホーム開幕戦を撃ち合いの末に三重が制し、サポーターとの歓びを分かち合った。ソニーは決定機を多く作った一方、守備でDFラインの裏を取られる綻びが目立ち、今季初黒星となった。