2016.12.29 - 天皇杯 全日本サッカー選手権大会 準決勝
大宮アルディージャ × 川崎フロンターレ
( 日産スタジアム,15:05 )
24日の準々決勝を勝ち上がった4チームによって行われる準決勝。日産スタジアムでの試合は、大宮と川崎の関東勢同士の一戦となった。大宮は準々決勝で湘南と対戦し、延長戦に持ち込まれたものの何とか勝利。対する川崎は東京を内容で圧倒し、1点差ながらも90分で危なげなく下している。両者の前回対戦は9月のリーグ戦であり、その際は大宮が3-2で勝利しているが、大久保の退場を端緒として選手同士が乱闘寸前になるなど後味の悪い終わり方をしており、因縁深いカードだ。
チームの勢いを比較しても川崎が優位という見方の強かったカードだが、前半からゲームを支配したのは大宮だった。川崎は3トップの中央に構える大久保が下りてきて攻撃の起点になろうとするものの、大宮はそこから先を徹底的に遮断。ボールを奪ったらサイドのマテウスと泉澤を使ってサイドをゴリゴリと押し込んでいく。特にマテウスは中へのカットインや、サイド深くからのクロスでビッグチャンスを演出しするものの、ゴールまでには至らず、0-0のまま後半へ折り返す。後半も引き続き大宮が主導権を握る展開が続き、最大のチャンスは50分。江坂がドリブルで中央を突破し、マークを引き寄せてから左の泉澤に流す。泉澤のシュートはポストに当たってゴール正面のムルジャの足元にこぼれるものの、咄嗟に反応したムルジャのシュートは大きく枠を外れ、この試合最大のチャンスを逸する。なかなか決定機を作れない川崎は、61分に大島を中盤へ投入。システムを4-2-3-1に変更し、サイドでの不利を解消する。すると川崎が少しずつこぼれ球を拾うようになり、ゲームの流れが少しずつ川崎へ。すると85分、川崎は中村の右CKからゴール前での混戦を作り、エドゥアルドのヘディングが当たり損なったボールがゴール正面に落ちる。大宮の選手がお見合いする間に、誰よりも早く飛び込んだのは谷口。シュートを押し込み、土壇場で川崎が1点を先制。これが決勝点となり、0-1で川崎が元日に大阪で行われる鹿島との決勝に駒を進めた。大宮は試合を優勢に進めたものの、終盤に川崎が押し返してくる中で攻守のバランスを保つことができず、ベスト4での敗退。それでもオレンジのサポーターは拍手で健闘をを労っていた。