2016.11.27 - J2・J3入れ替え戦 第1戦
栃木SC × ツエーゲン金沢
( 栃木県グリーンスタジアム,12:30 )
チームの運命を大きく変えるJ2・J3入れ替え戦は、J2が金沢、J3が栃木という顔合わせ。金沢はリーグ終盤で北九州や岐阜と熾烈な残留争いを繰り広げ、一時は最下位に沈んだものの、最終節のドローによって北九州を上回り、21位で自動降格を回避。J2残留の望みを自分たちで掴み取っての入れ替え戦だ。一方の栃木は、リーグ終盤まで首位を快走していたものの、第29節の長野戦で痛恨の敗戦を喫し、最終節で大分に優勝と自動昇格を譲る形に。1年でのJ2復帰に大きなハードルが立ちはだかったが、ホームで行われる第1戦で勝利し、再び勢いをつけたいところ。
試合は攻守においてアウェイの金沢が主導権を握る展開となった。試合が落ち着かない序盤、積極的に攻撃に出てボールを支配。その後は徐々に試合が落ち着きを取り戻し膠着した展開となるものの、集中した守備で栃木にフィニッシュまで持ち込ませない。栃木は点取り屋の大石を狙ったシンプルな縦の攻撃や、ショートカウンターを企図したプレスからチャンスを窺うものの、特筆すべきチャンスは28分に右サイドを崩した宮崎のクロスを寸前でカットされた場面くらい。内容では拮抗しつつ、金沢が試合をコントロールしながら後半へ折り返す。後半は前半の流れを汲むような拮抗した時間が続き、両チーム共に選手交代でチャンスを窺う形。前線の顔ぶれを変えて違いを作り出そうとするが、DF陣が集中した守りを見せ続ける。0-0のまま残り時間が10分を切ると、互いに手堅い采配も見せ、このままスコアレスで終了かという雰囲気も漂い始めた。しかし89分、金沢の右CKを中央の太田が競り、浮いたボールがファーサイドに流れたところに詰めていた小柳がプッシュ。土壇場で金沢が値千金のアウェイゴールを奪い、このまま0-1で試合終了。終わってみれば完璧という他にない結末で、金沢が第2戦に向かうことになった。一方の栃木は、球際の競り合いでほとんど奪いきることができずに地力の差を見せつけられ、クロスを入れても太田を中心とした守備に手が出せず。唯一望みを繋ぐ材料になりえた「無失点」という収穫も目前で潰え、極めて厳しい状況で第2戦に臨むこととなった。