2016.11.12 - 天皇杯 全日本サッカー選手権大会 ラウンド16
川崎フロンターレ × 浦和レッズ
( 等々力陸上競技場,19:00 )
J1リーグ戦で年間1位の浦和と年間2位の川崎が、天皇杯のラウンド16で激突。組合せ抽選による運命の悪戯とはいえ、事実上の決勝ともいえるカードがこの段階で組まれるのは勿体なさを感じる反面、今月下旬のチャンピオンシップを睨む意味でも興味深い一戦となった。等々力陸上競技場には両チームのサポーターが詰めかけ、天皇杯としては珍しく20,000人を超える客入り。小林を筆頭に負傷者が続出している川崎は、板倉・三好といった若手がスタメンに抜擢。一方の浦和は、西川と槙野が日本代表で不在となるが、現有戦力でのベストメンバーを組んできた。
試合の序盤は浦和がボールを支配して押し込む展開になるものの、川崎も両サイドをしっかり埋めた5バック気味の守備で対応すると、徐々に盛り返してプレスの強度を強めていく。徐々にパスミスが増えていく浦和に対し、ボールを支配できるようになった川崎は中盤でのパスを主体とした組み立てからチャンスを量産、一転して流れを握る。しかし決定的な場面で決めきれず、試合はスコアレスで後半へ。71分、浦和は右サイドからの森脇のロングフィードに一歩早く抜け出した興梠がワントラップでGK・鄭成龍をかわし、無人のゴールに流し込んで先制。中盤でミスが目立った中、早い段階で柏木を青木に代えた采配が奏功した。しかし川崎は85分に遠目の距離から大久保が放ったシュートがPA内の森脇の腕に当たり、これがPKの判定。大久保自身が冷静に流し込んで1-1の同点。直後の88分、浦和は波状攻撃から興梠のクロスを李が合わせ、鄭成龍が弾いたボールを咄嗟にクリアしようとした登里がオウンゴールしてしまい、再び1-2とリード。だが後半AT1分、登里の左サイドからのクロスがファーサイドに流れたところをフリーで受けた森本が決めて2-2の同点。最後の5分間で3回もスコアが動くという激動の展開のまま、延長戦に突入する。延長前半、浦和は相手CKの流れからカウンターを仕掛け、李のクロスを青木がダイレクトで合わせて再び1点をリードするものの、川崎も延長後半に猛攻を仕掛け、117分に左サイドからのクロスをファーサイドの板倉が折り返し、中央のエドゥアルドが頭でゴール右上隅に決める技ありのフィニッシュで、またしても3-3の同点。結局、延長戦でも決着を見ることはなく、PK戦に結果が委ねられた。後攻となった浦和は、2人目のズラタンのシュートが鄭成龍にストップされ最初の失敗。3人目の興梠のシュートもポストに嫌われてしまう。対する川崎は4人目まで全員が成功し、あっさりと決着。多くの若手を起用しながら、まさに死闘ともいえる試合を制した川崎が、12月の準々決勝に駒を進めた。