2016.11.12 - 明治安田生命 J2リーグ 第41節
FC町田ゼルビア × 松本山雅FC
( 町田市立陸上競技場,14:00 )
J2は残すところあと2試合と大詰め。ホーム最終戦を迎えた町田の対戦相手は、J1自動昇格圏内の2位につける松本。今節に勝利すれば、他会場の結果次第でJ1昇格が決定する状況ということもあり、チケットは早い段階で完売。アウェイ側スタンドは当然のこと、メインスタンドも松本サポーターが半数以上を占めるほどのフィーバーとなった。J1ライセンスを持たない町田は昇格プレーオフ出場はかなわないものの、目安である6位浮上の可能性が残っている。今シーズン最後の試金石となる一戦だ。
試合の立ち上がりは勢いがある松本が積極的に攻撃を仕掛ける展開となるが、ここをしっかりと凌いだ町田が最初にスコアを刻む。12分、左サイドを単独のドリブル突破で切り崩した谷澤がクロスを上げると、ファーサイドに詰めていたフリーの中島がボレーシュート。ボールは、カットに入った當間に当たってゴールネットを揺さぶり、町田が1点を先制する。試合はここから町田が主導権を握り続ける展開。サイドを深くまで抉り、折り返しをフィニッシュする「いつもどおり」のスタイルを一貫して続ける。狙い通りの形から28分に土岐田、33分に谷澤がそれぞれ決定的なシュートを放ち、いずれもクロスバーを叩くという惜しい場面が続くと、前半終了間際のAT1分、またしても谷澤の左サイドからのクロスをファーサイドの中島がダイレクトで折り返し、ゴール正面で待っていた仲川が合わせて2-0。良い時間帯での追加点により、町田が余裕を持って後半へ折り返すことに成功する。前半に高崎へボールが集まらず流れを作れなかった松本は、後半から2列目の工藤・石原が積極的にDFラインの裏へ走り、ロングボールを引き出すサッカーへ移行。66分にはその組み立てからフリーでボールを受けた高崎がミドルシュートをねじこみ、1点差に迫る。しかし町田は押し込まれながらもDFラインを高く保ち、松本が得意とするパワープレイへ簡単に移行させない。焦れてきた松本は、三島・山本を投入して強引に放り込みを図るものの、終盤は苛立ちからファウルで警告を受ける場面が目立った。結局、試合は2-1のまま終了。町田がホーム最終戦を有終の美で飾った。一方、痛恨の敗戦となった松本は、他会場で3位・清水が勝利したことにより、入れ替わりで3位に後退。自力でのJ1昇格が消滅した。厳しい表情で足取りも重い選手たちに対し、緑のサポーターからは激励の声が上がっていた。