2016.11.09 - 天皇杯 全日本サッカー選手権大会 ラウンド16
FC東京 × Honda FC
( 味の素スタジアム,19:00 )
今季ACLに出場した東京は、天皇杯でラウンド16からの登場。抽選によって決まった対戦相手は、JFLのHonda。1回戦で岐阜、2回戦で松本、3回戦で盛岡とJリーグ勢を立て続けに破り、ベスト16まで勝ち上がってきた。東京×Hondaの公式戦は、2003年12月の天皇杯以来13年ぶり。リーグ最終戦を終えて日程に余裕がある東京は、日本代表に召集されている森重・丸山以外は、スタメンにほぼベストメンバーを起用。対するHondaは、2003年の前回対戦時にも得点を決めている36歳の古橋がスタメン。
粘り強い相手だけに、早めに趨勢を決めてしまいたい東京が強めのプレスをかける形で始まった試合だが、先制したのはHondaだった。18分、中盤の底でボールを持った香川の縦パスに久野が反応。高橋・吉本のDFラインからあっさり裏を取ると、久野がそのままファーサイドへ丁寧に流し込んで0-1。Hondaサポーター以外に多くのJFLファンも駆け付けた南側スタンドは大きく盛り上がる。Hondaはトップ下で久野をサポートする古橋がボールの収めどころとなり、此処をスイッチに後方の選手が攻撃に参加する連動した形を見せ、前半は内容でも東京を圧倒。ハーフタイムに入る際には東京ゴール裏から大きなブーイングも起きた。しかし後半、梶山に代えて小川を左SBに投入し、室屋を右SBに回したことで東京のサイド攻撃が大幅に強化されると流れが変わる。51分、室屋の右サイド突破から波状攻撃をかけると、中島のシュートがDFに当たってコースが変わり、これが決まって1-1の同点。その後もHondaの粘りがあって一進一退の攻防が続いたが、80分には左サイドで受けた水沼のカットインから中央の中島を経由して右サイドの室屋へ展開。室屋はGK・清水谷の飛び出しを見て冷静にループシュートを決め、2-1と逆転に成功した。同点にされて以降、前線のタッグを古橋・久野から柴田・大町に代えてチャンスを窺っていたHondaだが、アタッキングサードまでは侵入するものの決定的な場面を作るまでは至らず、このまま試合終了。選手交代で見事に流れを引き寄せた東京が逆転勝利で準々決勝進出を果たした。Hondaはベスト16での敗退となったが、内容では決して劣らず健闘を見せ、東京ファンからも大きな拍手が贈られた。