2016.11.05 - 明治安田生命 J3リーグ 第28節
FC東京U-23 × AC長野パルセイロ
（ 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場,13:00 ）
残り3試合となったJ3で、現在12位につけるFC東京U-23。小春日和となった駒沢陸上競技場に、6位･長野を迎えての一戦。実に7,653人もの観客が集まった最大の理由は、J史上最年少デビューが期待される弱冠15歳の久保建英のメンバー入りが報道されたため。多くの報道陣も詰め掛け、普段のJ3と異なり、少し落ち着かない雰囲気となった。対戦相手の長野は、J2昇格を目標としながら、2位･大分との勝ち点差が「9」となっており、現実的には昇格は厳しい状況。人事を尽くして天命を待つのみだ。
前半は、平均年齢が20歳を下回るフレッシュな東京のDFラインに対して長野が猛攻をかける展開。開始早々に松原のロングスローからビッグチャンスを作ってゴールを脅かすと、17分には仙石の左CKを松原が頭で合わせ、1点を先制。更に32分、今度は松原のロングスローに対して東京の選手が競り合うことができず、フリーの大島が押し込み2点目。最大の課題であるフィジカル面での差を見せつけられ、流れの中ではDFラインの前のスペースを勝又を中心とする長野の3トップに自由に使われてしまい、ほとんどチャンスを作れないまま前半を終えることになる。HT明けから東京は早々に動く。ベンチスタートとなっていた久保を小山に代えて投入し、システムを3-4-2-1に変更。野澤をリベロ、兪仁秀を1トップに据え、長野に対してミラーゲームを仕掛ける。前半、左サイドで思うように持ち味を出せていなかった小川が高い位置にポジションを取り、ボランチに入る鈴木が小川の攻撃参加をサポートすることで、左サイドからの攻撃が劇的に改善。クロスの回数も目に見えて増えていく。70分には、鈴木の持ち出しから左サイドの小川のクロスを林が頭で合わせ、これが決まって1-2。東京が1点差として試合終盤へと入っていく。押し込まれる展開となった長野だが、中央に入ってくるクロスに対して明らかに対応できなかったのは失点の場面のみ。人数をかけてPA内を死守し、ボールを奪ってからは早めに前線へ運んでファウルを貰うなど、賢い戦い方を最後まで貫いた。試合は1-2のまま終了。長野が試合巧者ぶりを発揮し、リーグ戦で3試合ぶりの勝利を挙げた。東京は前半の内容が響いて敗れたものの、後半からは注目の久保がJリーグ最年少出場を果たしただけでなく、坂口･平川といった非常に若い選手が堂々と相手に渡り合い、経験の積み重ねに繋がる試合内容だった。
