2016.10.30 - 日本フットボールリーグ 2ndステージ 第13節
アスルクラロ沼津 × ヴァンラーレ八戸
( 静岡県愛鷹広域公園多目的競技場,13:00 )
JFLは残り3試合となり、優勝争いも大詰め。2ステージ制のため現状の年間順位は暫定となるが、年間首位のFC大阪から5位のアスルクラロ沼津までが勝ち点差「2」のうちにひしめき合う大混戦。沼津は今年度のJリーグライセンス審査で来季のJ3ライセンスを取得し、今季のJFLで年間4位以内に入ればJ3昇格が可能であるが、そのためには残り3試合は全て勝つ勢いで臨まなければならない。今節の相手は、年間8位でこちらもJ3ライセンスを取得したヴァンラーレ八戸。年間4位確保は厳しい状況だが、元日本代表の市川が今季限りでの現役引退を発表しており、現役生活では最後となる地元・静岡での試合とあって多くの地元ファンも駆け付けた。
試合は、90分間を通して両チーム共に攻めあぐねる場面が多く見られる内容だった。ホームの沼津は初めに1トップの青木にボールを入れ、そこを起点にサイドへ展開し、PAの深くまで侵入してラストパスを狙うサッカーを展開するものの、最後の部分の精度があと一歩足りず、決定的なシュートに持ち込めない。対する八戸は、高い位置からプレスをかけ、ボールを奪ってからの速攻でワンチャンスを生かそうとするものの、前半のうちに左SBの山﨑が負傷交代。選手のポジションをスライドさせて対応するが、プレスも効果的に機能とまではいかずに前半を終える。最初のビッグチャンスは後半に入った直後、沼津・藤原が自陣からフィードを試みたところを、八戸・前田がカット。完全にGKと1vs1になったが、これを防がれてしまい先制することができない。するとその流れから沼津が再び攻勢に転じ、51分にPA内でボールをキープした青木が左サイドへ落とし、田中のクロスをファーサイドの中村がヘディング。DFとの競り合いで勢いは殺されていたが、シュートは絶妙なループを描いてファーサイドネットに突き刺さり、沼津が貴重な1点をもぎ取った。その後も沼津は自陣に退くことなくポゼッションしながら八戸のプレスをいなし続け、明らかな逃げ切りに入ったのは最後の5〜10分の時間帯。八戸は最後まで大きなチャンスを得ることができず、1-0のまま試合終了となった。首位・FC大阪が敗れたことにより、沼津は大阪を抜いてJ3昇格圏内の暫定4位に浮上。一方の八戸は大きな見せ場を作れずに敗れたが、引退の市川に対して最後まで大きな声援が上がっていた。