2016.10.05 - Jリーグ YBCルヴァンカップ 準決勝 第1戦
FC東京 × 浦和レッズ
( 味の素スタジアム,19:30 )
ルヴァンカップの準決勝は、直近のリーグ戦から中3日での開催。東京と浦和の対戦は、日本代表のW杯予選で主力不在となる中、ベンチも含めた総力戦が予想される。守備の要である森重と丸山を欠く東京は、CBに吉本と高橋を起用。更に負傷の徳永に代わり、小川が久々に起用される。対する浦和は、西川・槙野・柏木を欠くだけでなく、準々決勝の第2戦で退席処分となったペトロヴィッチ監督がベンチ入り停止。代行を務める堀コーチのもと、残った選手の中でほぼベストメンバーを組んできた。
前半は東京が慎重な入り方をして幕を開ける。浦和がボールを支配する流れとなり、ズラタンのポストプレーを中心に東京ゴールへ迫り、際どいフィニッシュの場面を繰り返し作り出す。東京はシュートこそ撃たれるが、秋元の好セーブやDFラインの奮闘で防ぐと、徐々に流れを引き戻す。好調の中島が中に入る動きを見せながら浦和の守備に圧力を加え、良い雰囲気のまま0-0で後半へ折り返す。すると後半立ち上がりの49分、浦和の守備ブロックを押し込む中、東が右サイドの室屋に展開。室屋が低めのクロスを入れると、ニアの羽生が頭でコースを変え、ゴール正面に入ってきた東が頭でループ気味に流し込み、東京が先制に成功する。9月のリーグ戦と同じ「1点を守る展開」となった東京は、逆転負けを喫した前回の轍を踏むまいと攻撃力を維持。68分には羽生に代えて河野を2列目に投入し、あくまでも攻撃の手段を残すスタンス。実際、カウンターからチャンスを作り出す場面もあり、追加点を挙げられれば文句無しだったのだが、決定打に欠き1点差のまま試合終盤へと入っていく。試合の流れを決定的に変えたのは72分の興梠の投入。懐の深い興梠が前線に加わったことで浦和がバイタルエリアでの主導権を早々に握り返すと、途中出場の高木が77分にPA外から強烈なミドルシュート。ゴール右上隅を射抜く正確なフィニッシュに秋元は一歩も動くことができず、1-1の同点。更に3分後の80分、こちらも途中出場の平川が右サイドからドリブルでカットインし、中央にラストパスを送ると、武藤がダイレクトで右足を振り抜き、これがゴール左隅に転がり込んで1-2。東京は浦和の勢いに飲まれたまま、僅か3分間で逆転を許した。結局、途中出場の3人がきっちり結果を残した浦和が、監督と主力選手の不在を感じさせない層の厚さを見せつける形となり、アウェイでの第1戦を勝利。またしても逃げ切りに失敗した東京は、アウェイゴールを与えただけでなく痛恨の敗戦を喫してしまい、決勝進出の望みは早くも風前の灯となった。