2016.08.31 - Jリーグ YBCルヴァンカップ 準々決勝 第1戦
FC東京 × アビスパ福岡
( 味の素スタジアム,19:30 )
「ヤマザキナビスコカップ」の大会スポンサーであるヤマザキナビスコの社名変更に伴い、「YBCルヴァンカップ」とタイトル名が改まってから初となるノックアウトステージ・準々決勝の第1戦。ACL出場のためグループステージが免除された東京はこれが最初の試合となる。対戦相手は福岡。リーグ戦では最下位に沈むものの、カップ戦ではBグループを勝ち抜き、初めてのベスト8進出を果たした。東京の篠田監督にとっては、選手としても指揮官としても在籍したことのある古巣との因縁の対決となった。
日本代表に選出された森重・丸山の両CBを欠く東京だが、代わりに出場した吉本・高橋がコンビを組み、守備に関しては良い立ち上がり。アウェイゴールが大きな意味を持つH&A方式ということもあり、リスクを冒した攻撃よりも全体のバランスを意識した前半となる。しかし38分、ゴール前の攻防で足を痛めたムリキがプレーを続行できず、中島と交代。東京にとっては不安要素を抱えることとなる。しかし、27日のリーグ戦でも起死回生の同点ゴールを決めている中島が今日も結果を出す。62分、PA内へドリブルで侵入した前田がマークに付かれながらも強引にシュートへ持ち込むと、意表を突かれる形となったGK・李範永は正面に弾くのが精いっぱい。これを中島が難なく押し込んで1-0と東京が先制。極力リスクを抑えた試合展開の中でゴールも奪うことに成功し、ゲームプランはほぼ完璧に運んでいた。だが福岡がここから動く。74分に城後を下げて坂田を投入し、前線の運動量を活性化。東京の後方のスペースを突こうとする。無理に追加点を狙う必要の無い状況の東京だが、福岡もリスクを冒している状況であるだけに、カウンターを狙って前へ出ていき、攻撃の途中でカットされてしまう場面が目立ち始めた。そんな中で遂に後半ATを迎えようとした90分、福岡は途中出場の三島が右サイドからドリブルでカットイン。東京は徳永がマークについていたものの、これを振り切り、狭い角度ながら左足を振り抜く。秋元は一歩も動くことができず、弾丸のようなシュートがファーサイドに突き刺さるのを見送ることしかできなかった。試合は1-1のまま終了。敗れたわけではなかったが、土壇場での同点劇、しかもアウェイゴールという痛恨の失点を喫した東京にとって非常に厳しい結果。してやったりの結果に盛り上がる福岡サイドとは対照的に、東京の選手の表情は一様に冴えなかった。