2016.08.27 - 明治安田生命 J1リーグ 2ndステージ 第10節
名古屋グランパス × FC東京
( 豊田スタジアム,18:00 )
5月4日の1stステージ第10節以来、リーグ戦で17試合連続勝ち無しという深刻な状況に追い込まれている16位・名古屋。特に2ndステージに入ってからは9試合で2得点という深刻な得点力不足に陥っている。J2降格が現実味を帯びつつある中、これまで続投が基本線となっていた小倉監督の休養が発表され、実質上の解任。ストイコビッチ監督時代にコーチとして現場に携わったジュロヴスキー新監督が就任し、昨季限りで退団していた闘莉王のチーム復帰も発表された。J1残留を目指すチームにとって再起を図りたい一戦は、野田を1トップに据えたシステムで必勝態勢。
名古屋より先に監督交代で復調に成功している東京にとって、相手にも同様の立ち直るきっかけを与えるわけにはいかない試合。試合前にメンバー・スタッフ全員で円陣を組み、強い気持ちで試合に入ってきた名古屋と、前半から一進一退の攻防になる。名古屋は川又と永井の両アタッカーがサイドでボールを受け、キープしながらSBの攻撃参加を促す形。カットインやクロスからシュートを撃たれる場面を作られながら、カウンターで対抗していた東京だが、前半終了間際の45分に左サイドからの安田が中に落としたボールを田口が強烈なミドル。秋元が正面に弾いたところを野田に押し込まれ、名古屋が1点を先制して折り返す。手痛い時間帯に失点を許した東京は、後半の早い時間帯に河野を下げて中島を投入。ムリキを前線に上げて攻撃の厚みを増す。中島が中央に入ってムリキとの連携を見せることにより、攻撃の主導権を握る東京だが、なんとしても勝利が欲しい名古屋の守備を前になかなかゴールを割ることができない。85分には自陣深くから梶山のフィードを受けたムリキがゴール正面でフリーの兪仁秀にパスし、決定的なチャンスが訪れるものの、トラップでもたつく間にシュートを撃ちきれず。時間帯を考慮しても、これで万事休すかと思われた。しかし諦めずに攻め続ける東京は後半ATに入った直後、右サイド深くへ侵入した室屋から東を経由して中島に繋ぐと、中島のフィニッシュはカットに入った磯村の足に当たってゴールネットに突き刺さった。このまま試合は1-1で終了。攻撃に拙さが目立つ中で九死に一生を得た東京に対して、土壇場の失点で18試合ぶりの勝利を逃した名古屋にとってはショックな結果。落胆を隠せない選手たちに名古屋サポーターから大きな声援が上がっていた。