2016.08.27 - 天皇杯 全日本サッカー選手権大会 1回戦
FC岐阜 × Honda FC
( 岐阜メモリアルセンター長良川球技メドウ,13:00 )
今年も8月から元日決勝に向けた天皇杯の本大会が開幕。J2で苦戦が続いており、残留争いに巻き込まれている岐阜がホームの長良川球技メドウで初戦を迎える。リーグ戦での不振からラモス前監督を解任し、吉田新監督へとバトンを引き継いでから守備の立て直しを図っているだけに、リーグ戦に繋がる試合内容を期待したいところ。迎えるのは、静岡県代表のJFL所属・Honda FC。近年はJ3の藤枝などの台頭もあって県大会で敗退することが多く、天皇杯本大会出場は実に6年ぶりのことだ。
8月のデーゲームということもあり、かなり暑い中でのキックオフを迎えた試合は、Hondaが先にスコアを動かす。12分、右サイドの崩しから中へと侵入した細貝が左サイドへラストパスを送り、フリーの中川がシュート。これはゴール右ポストに弾かれるものの、それにいち早く反応した大町がダイレクトで押し込み、0-1と先制。スタンドに陣取るHonda応援団はさっそく沸き返る。しかし喜びも束の間、直後の16分に岐阜は右CKを獲得すると、レオナルドロシャの左足キックは強いカーブを描きながらゴールへ一直線。GK・清水谷が手を伸ばすものの、それより先にニアへ入っていた風間が競り合いから押し込むことに成功し、1-1の同点となる。ここからは一転して岐阜のペース。アンカーを配置して中央をしっかりと固め、ピンチの芽を着実に摘み取り、レオナルドロシャ・風間の両サイドが攻撃を牽引。後半も選手交代で先手を打ち、途中出場の田中(達)がドリブルから決定機を作る場面も見られた。しかし押し込みながらも岐阜は肝心の逆転弾を奪えず、同点のまま90分を終了。延長戦に入っても、圧倒的に攻めながら点が奪えない岐阜、一発に望みを賭けつつも疲労の色を隠せないHondaという構図が続き、PK戦突入かという雰囲気が漂い始めていた。しかし延長後半も15分を過ぎた直後、Hondaは選手交代で右サイドにポジションを移していた大町がドリブルで持ち上がりアーリー気味のクロス。中央で待っていた途中出場の宮内がダイレクトで押し込み、Hondaが劇的な勝ち越し点。ほどなくしてタイムアップのホイッスルが鳴り響き、Hondaが見事なアップセットを果たして2回戦進出を決めた。歓喜に沸き返るHonda応援団の一角を除き、岐阜の選手たちはピッチに崩れ落ちるなど一様に落胆の面持ち。屈辱的な敗戦を喫しながらも、岐阜サポーターは激励の声援を上げていた。