2016.07.23 - 明治安田生命 J1リーグ 2ndステージ 第5節
川崎フロンターレ × FC東京
( 等々力陸上競技場,18:30 )
1stステージ優勝を目前で逃したものの、2ndステージに入ってからも順調に勝ち点を重ね、年間1位に立った川崎。好調の攻撃陣の勢いがどこまで持続するかが鍵となる中、今節からU-23日本代表の大島と原川が五輪出場のためチームを離脱。代わりに中村が負傷から復帰した。一方の東京は対照的な状況。2ndステージで既に3敗を喫しており、これ以上敗戦が重なるとJ1残留すら危うくなる。U-23日本代表の室屋の離脱に伴い、今節は小川が左SBでスタメン。ボランチは橋本・米本の組合せ。
あまりにも異なるチーム状況を反映するかのように、試合は立ち上がりから川崎が支配。復帰したばかりの中村が中心となってパスを回しながらリズムを作り、序盤だけで大塚のシュートがゴールポスト、橋本のシュートがクロスバーを叩くなど、ゴールにはならないが決定機を次々に作り出す。防戦一方の東京もカウンターから活路を見出し、サイドを起点にチャンスを窺うものの、30分過ぎにアクシデント発生。米本が膝を痛めて負傷退場し、高橋との交代を余儀なくされる。ただでさえ劣勢の中、交代のカードを切らざるを得なくなった東京だが、何とか0-0で前半終了。後半に入って65分、高橋の絶妙なスルーパスにムリキが抜け出してGKと1vs1。しかし、ムリキのフィニッシュを鄭成龍が身体に当てて防ぎ、東京が千載一遇のチャンスを逃すと、再び流れは川崎へ。大塚の交代でシステムを3-4-3に移行し、前線をさらに分厚くしたことで再び押し込んでいく。そして81分、PA近くの攻防でムリキがハンドの反則を取られ、川崎の直接FK。橋本のキックは壁に当たるものの、冷静に繋いで左サイドへ展開し、車屋がダイレクトでクロス。これに飛び込んだ小林のヘディングシュートがゴール左に突き刺さり、試合終盤で川崎が1点を先制。東京はすかさず平山を前線に投入し、パワープレイに入るものの、川崎のゴールを脅かすには残り時間が少なすぎた。試合終了のホイッスルと共に、東京の選手たちが一斉にピッチに崩れ落ちる。スコアは僅かに1点差だが、圧倒的な勝負強さの差を見せつける形となり、川崎が年間1位の座を堅持。東京は2ndステージ4敗目となり、年間順位も13位に後退。川崎を相手に守備重視の戦い方が通用し、途中出場の高橋や久々に出場の小川が攻守にバランスの取れた戦いを見せるなど、決して悲観するような内容ではなかったが、想像以上にチームの歯車が噛み合わない現状に対し、ゴール裏から厳しいブーイングが上がった。