2016.05.08 - 明治安田生命 J1リーグ 1stステージ 第11節
湘南ベルマーレ × FC東京
( Shonan BMWスタジアム平塚,16:00 )
大型連休の3連戦の最後となる第11節。ホームの湘南は、第9節の横浜M戦(A)で今季初勝利を挙げると、前節の鳥栖戦(A)でも1-0で勝利し、順位は16位に浮上。降格圏脱出に向けて希望の光が見えつつある。対する東京は、第9節の福岡戦(H)で0-1という痛恨の敗戦を喫したものの、4日に行われたACLのビンズオン戦(A)で2-1の勝利を挙げ、苦しみながらもグループステージを突破。この勢いをリーグ戦に持ち込みたい。
試合は両チーム共にシステムを見直しての入り方となった。湘南は2連勝中に結果の出ていた4-4-2を見直し、従来の3-4-2-1を採用。このタイミングで敢えて「原点回帰」を図る。一方の東京は、湘南と対照的に、機能していたとは言い難い4-4-2を捨て、高橋をアンカーに据えた4-1-4-1で試合に臨んだ。このシステム変更が功を奏したのは東京だった。20分、左サイドを起点に崩してPA内に侵入した田邉の折り返しを中央の河野がダイレクトで押し込み、東京が0-1と先制。湘南の手薄な右サイドを突き、小川・阿部が積極的に攻撃を仕掛けていた時間帯で得点を挙げることに成功する。対する湘南は、リスクを冒して攻撃に人数をかけようとするものの、前線で大槻をサポートできる選手がおらず、1点差のまま前半終了。後半からボランチに石川を投入し、長谷川を2列目にシフト。システムを4-2-3-1に変更し、サイドにかける人数を強化して東京を押し込もうとする。しかし、東京はアンカーに入った高橋が中央のスペースを埋め、サイドへ出ていく守備をしっかりカバー。攻撃は前田に収めるシンプルな手段に限定され、その脅威こそ小さくなったものの、湘南は攻撃が明らかに手詰まりとなる。東京の構築するブロックを前に苦し紛れのロングボールを交えながらチャンスを窺うしか手を打てなくなった湘南に対し、東京はACLの疲労を感じさせない集中した守備を見せ、ゴールにがっちりと鍵を掛けた。結局、前後半を通して湘南の放ったシュート数は僅かに「1」。3バックへの回帰が功を奏することなく、湘南は3試合ぶりの敗戦。守備重視の戦いでスコア以上に内容で圧倒した東京がリーグ戦で5試合ぶりの勝利を挙げ、暫定12位に浮上した。