2016.05.07 - 明治安田生命 J2リーグ 第12節
東京ヴェルディ × 松本山雅FC
( 味の素スタジアム,16:00 )
2014年シーズン途中から就任した冨樫監督のもと、着実に守備を再建して昨季は8位に成績を上げ、J1昇格争いを見据えた戦いに挑む今季の東京Vだが、期待のシーズンはよもやの苦戦。11試合を終えて僅か2勝の17位に沈んでいる。対する松本もシーズン序盤は苦しんだが、直近の5試合のうち3試合で勝利を挙げており、現在は7位。1年でのJ1復帰に向けてペースを上げている。松本サポーターも多く詰めかけた一戦は、夕方キックオフながら強い日差しの照りつける暑さの中で行われた。
先に均衡を破ったのは松本。立ち上がりから厳しいプレスで東京Vのパスワークに圧力をかけていくと、8分にそのプレスから獲得した直接FKを宮阪が直接決めて0-1。壁の左側に味方選手をスクリーン役で立たせ、そちらに蹴るかと思いきや、右側の壁を越して狭いニアサイドを撃ち抜いた。その後は、得意のセットプレイで注文通りにリードを奪った松本の一方的な展開と化す。28分には岩間がワンツーで抜け出し、PA内まで侵入。これはあと一歩で防がれるものの、こぼれ球を拾った工藤が倒されてPKを獲得。高崎が冷静に決めて0-2とし、東京Vにほぼ反撃の機会を与えぬまま後半へ折り返す。後半に入ってもなお松本の優位は揺るがない。51分に縦に早いカウンターから中央の工藤がパスを受けると、中央へ走り込んだ高崎へ見事なスルーパスを通し、これを冷静に決めて0-3。59分には中央の宮阪が右サイドへ大きく振り、フリーの田中のクロスを高崎が打点の高いヘディングで合わせて沈め、水戸在籍時以来2度目となるハットトリックを達成した。スコア上は安全圏に入った松本だが、最後まで前への推進力を前面に押し出すサッカーを完遂。左サイドに投入した飯尾がドリブルで押し込み、東京Vの守備網に最後まで甚大なプレッシャーを与え続けた。結局、0-4のまま試合終了。スコアが示すとおり、内容・結果共に松本が東京Vを圧倒する形となった。チームの基盤でもあった堅実な守備を完膚無きまでに叩きのめされた東京Vのサポーターからは、不満の声が多く上がっていた。