2016.05.01 - 明治安田生命 J3リーグ 第7節
FC東京U-23 × 栃木SC
( 味の素フィールド西が丘,14:00 )
第5節までJ3リーグ戦で勝利が無く、順位も15位に沈んでいたFC東京U-23だが、前節にアウェイでの鳥取戦では兪仁秀の挙げた虎の子の1点を守り抜き、遂に初勝利。勢いを持ってホームゲームを迎える。しかし今節はトップチームがACLのベトナム遠征、U-18が同日にプレミアリーグを行うスケジュールとなったため、メンバー構成は最低限。登録上の関係でACLに出場できないムリキがOA枠でスタメンに入った。対する栃木は、1年でのJ2復帰を目指すシーズンだが、現在9位と振るわない状況。どちらにとっても弾みをつけるために勝ち点3を積み上げたい試合だ。
気温28℃という暑さの中で行われた試合の立ち上がりは共に様子見の色が濃い落ち着いた内容となるが、そんな中で先手を取ったのはアウェイの栃木。19分、前線で楔の形を作っていた大石がボールを収め、フリーの山本へ落とす。冷静なトラップからの強烈なミドルシュートは左側のポスト内側を叩いてゴールイン。山本のファインゴールで栃木が0-1とする。先制を許した東京だが、この苦境を早い段階で救ったのは、前節に決勝点を挙げた兪仁秀のドリブル突破だった。30分、単独でPA内へ仕掛けると、これを阻もうとした廣瀬が足をひっかけてPKの判定。キッカーのムリキはGKの反応を見ながら冷静にシュートを流し込み、移籍加入後の公式戦初ゴールを挙げて1-1の同点で後半へ折り返す。大石に預けるもののその先の構築できない栃木は、ジャーンモーゼルの途中交代を皮切りに前線のピースを組み替えて東京のゴールに迫ろうとするが、東京もU-23チームでディフェンスリーダーの吉本を中心に跳ね返し、決定的な場面を作らせず。一方の攻撃では、前線で身体を張る林にボールを入れられない展開。ムリキが中盤まで下りてきてボールを受け、シンプルにサイドへはたいたり、ドリブルで中央突破を図ったりするなどの多彩なアイデアを披露したが、周囲との連係不足は否めず、攻撃は散発的なものに終わった。他にも佐々木の巧みなボール扱いからの起点づくりや、兪仁秀のドリブル突破など可能性を感じさせるプレーはあったが、栃木の守備も最後までコンパクトに陣形を保ち失点を許さず。東京は選手交代でU-18の2選手しか使えない事情もあり、流れを大きく改善するまではできず、1-1のドロー決着。勝てなかった以上は満足とは言い難いものの、守備では致命的な決壊をきたす場面もなく、ムリキが加入後初めてフル出場するなど、収穫もある内容だった。