2016.04.29 - 日本フットボールリーグ 1stステージ 第9節
ブリオベッカ浦安 × 奈良クラブ
（ 柏の葉公園総合競技場,13:00 ）
今季より舞台を関東リーグからJFLに移し、チーム名も「浦安SC」から改称したブリオベッカ浦安。開幕直後こそ連敗スタートとなったが、徐々に成績も上向き始め、直近3試合で負け無しと好調。対戦相手は、浦安より1年先にJFLへ参入し、昨季もJFL初シーズンながら5位と健闘した奈良だ。今季の奈良は不調。ここまで4分4敗と未だに勝利が無い。声出しの人数では浦安サポーターを上回る奈良サポーターの後押しを受け、今度こそ勝利を挙げることができるか。実力伯仲の注目の一戦となった。
先制したのは奈良だった。立ち上がりからカウンターで良い攻撃を繰り出す中で得た左サイドのFKを向が蹴ると、ゴール前の混戦を谷口が押し込んで0-1。幸先よくリードを奪う。強風の中で行われたこの試合、前半は風上に立った浦安が優位かとも思われたが、奈良はロングフィードを効果的に活用。相手の危険なエリアへボールを入れ、風で戻される所での相手の処理ミスを狙い続ける。浦安は後方が厳しい対応を迫られるだけでなく、竹中と田中(俊)の2トップも厳しいマンマークに付かれ、奈良の思い通りにハーフタイムを迎えた。このまま進めば奈良が逃げ切ることは充分に考えられる展開だったが、後半に入ると奈良の守備にも少しずつルーズな対応が見られるようになり、浦安がリズムを作る。62分にはPA内での競り合いからPKを獲得し、これを田中(俊)が決めて1-1の同点。75分には、左サイドを田中(貴)が縦に崩しての展開から、ゴールほぼ正面でボールを受けた矢部のスルーパスに反応した竹中がPA内で抜け出し、狭い角度ながら決めて2-1と逆転。同点に追いつかれ、明らかに出足の悪くなった奈良の守備を完璧に崩した。奈良は同点に追いつかれてから1トップ＆トップ下のユニットを瀬里･小井手に代えて仕切り直しを図ったが、コンパクトかつラインを高く設定して守る浦安に対し、中央でチャンスを構築することができず。小野と圓乘の両サイドを起点に、後半の立ち上がりも支配していただけに、追加点を奪えなかったことが逆転される要因の1つとなってしまった。逆転勝利の浦安はリーグ4戦負け無しとなった一方、奈良は開幕9試合で未だ勝利ゼロという苦しい状況。しかし後半途中までのサッカーには多くの可能性を感じさせただけに、奈良サポーターからは拍手が起きていた。
