2016.03.11 - 明治安田生命 J1リーグ 1stステージ 第3節
FC東京 × ヴィッセル神戸
( 味の素スタジアム,19:00 )
前節、アウェイで仙台を下してリーグ戦初勝利を飾った東京は、ホームに戻っての第3節。結果が出た前節と同じスタメンを揃え、リーグ戦連勝を期しての戦いを迎える。対する神戸は、前節の新潟戦で6-3という派手な撃ち合いを制しており、得点力は脅威だ。翌週火曜日に東京がACLを控えている関係で、中3日を確保するため金曜夜の開催。気温6℃の寒さの中、決して多いとは言えないが11,488人の観客が集まった。
試合は両軍共に互いの良さを消そうとする展開となった。神戸はゲームスピードを上げないようにコントロールしつつ、レアンドロのポストプレーを起点に攻撃のスイッチを入れ、得意の速攻で仕留めようと画策。一方の東京も、前線から執拗にはボールを追わずにブロックを形成し、ボールを奪ったら早い段階で前線へ送り込む前節の戦い方を踏襲。早くも左SBの定位置を確保しつつある小川のセットプレイなどでチャンスを作っていくが、決定機を迎えるまでは至らない。高い緊張感のまま後半へ折り返すと、少しずつ東京が押し込んでいくが、なかなかサイドから効果的なクロスを上げることができない。東京は67分に水沼を投入して右サイドに配置し、72分にはサンダサを投入して前線に据え、阿部を左サイドへスライド。すると、ボール扱いに長けたサンダサの投入によって高い位置の右サイド寄りでボールキープの余裕ができ、大きな効果を生む。このままドローかという空気が漂い始めた88分、森重が自陣から右サイドへ展開すると、サンダサと橋本が絡んでオーバーラップした徳永へパス。フリーで右サイドを抜け出した徳永がゴール前へグラウンダーのボールを送り込むと、ニアの前田が潰れてファーサイドへこぼれた先に待っていたのは阿部。前田の動きに釣られた金承奎の守るゴールを遂に打ち破り、土壇場で東京が1点を先制。その後の神戸の反撃を抑えきり、終わってみれば試合を通じて神戸のシュート数を「3」、枠内シュート数に至っては「0」に抑える完璧な「ウノゼロ」。今後のリーグ戦やACLに向けても大きな意味を持つ勝ち点3を獲得した。