2016.01.11 - 全国高校サッカー選手権大会 決勝
東福岡高校 × 國學院大學久我山高校
( 埼玉スタジアム2002,14:05 )
全国高校選手権の決勝は、圧倒的な力を見せて決勝に勝ち残った東福岡と、伝統のパスサッカーを武器に強豪を倒して決勝まで駒を進めてきた國學院久我山の対戦。東福岡はインターハイに続く夏冬連覇を狙う。対する國學院久我山は、同校発の大会制覇まであと一歩。埼玉スタジアムには54,090人の大観衆が詰めかけ、注目の一戦を見守った。
試合の立ち上がりは、ボールを保持して攻めに出る國學院久我山に対して東福岡が速攻で対抗するという想定どおりの展開となる。國學院久我山は中盤でボールを奪うことができ、そこから早く前線に繋いでいくことで先制点の機会を窺うが、東福岡も徐々に守備が適応。中盤でのパスカットが多くなり、徐々に試合の流れが変わっていく。すると36分、東福岡が左サイドで溜めて時間を作ると、ゴール前の餅山へ鋭いパスを供給。餅山がトラップから右サイドへ流すと、そこにフリーで詰めてきた三宅がダイレクトで押し込み、東福岡が1点を先制。攻守において中央に偏り気味だった相手の手薄なサイドを突いての得点となり、後半へ折り返す。後半に入っても東福岡の勢いは止まらない。立ち上がりの47分、ゴール正面でファウルを受け、直接FKを獲得すると、キッカーの中村の前にスクリーン役の3人が立ち、ホイッスルと同時にバックステップ。中村が右足を振り抜く瞬間にスクリーンの選手がしゃがみ、壁を超えたシュートはゴール左隅に突き刺さった。見事なサインプレーで東福岡が2点目を奪うと、ここからは捨身の攻撃に出る國學院久我山に対し、東福岡がカウンターで何度もゴールを脅かす。67分には餅山が執拗なチェイスで相手DFのボールを奪い、悠々とループシュートを決めて3-0。70分には右サイドをドリブルで崩した三宅のグラウンダーのクロスを藤川が押し込んで4-0。そしてゴールラッシュの締め括りは80分、自陣でボールを奪ってから餅山が単独で持ち上がると、最後は中央でフリーの中村へと繋ぎ、中村がこれも悠々と決めて5-0。決勝戦は予想外の大差で決着することとなった。國學院久我山はゴール前までボールを運ぶ場面こそあったものの、崩す意識が高すぎたのか、シュートを撃てる場面で撃てないなど拙攻も目立ち、一矢報いることができず。東福岡が2003年の国見以来となる夏冬連覇を達成し、高校サッカー界の頂点に立った。