2016.01.01 - 天皇杯 全日本サッカー選手権大会 決勝
浦和レッズ × ガンバ大阪
( 味の素スタジアム,14:15 )
2年ぶりの元日開催となった天皇杯決勝。準決勝で延長戦の末に柏を下した浦和と、広島を3-0で下したG大阪の顔合わせとなった。浦和は準決勝で負傷した柏木がメンバー外となり、興梠・李・青木の3人が代わってスタメンに名を連ねる一方、G大阪は準決勝と同じスタメンで試合に臨む。初めての決勝開催となる味スタは前売りでチケット完売。両チームのサポーターが上層席までスタンドを埋め、雰囲気を盛り上げた。
前半から揺さぶりをかけたのはG大阪。開始早々の4分に宇佐美がドリブルでPA内に切れ込むと、クロスに合わせたパトリックのシュートがクロスバーを叩くなど決定的なチャンスを作り出す。12分には米倉が負傷して交代を余儀なくされるものの、今野が右SBにスライドし、空いたボランチは投入された井手口がカバー。浦和に流れを渡さない。すると32分、中盤でこぼれ球を拾った倉田がすかさずDFライン裏へ縦パス。これに反応したパトリックがマークについた森脇をドリブルで置き去りにして西川との1vs1も冷静に決め、G大阪が先制。好守の切り替えの隙を突かれ、失点を喫した浦和だが、こちらもすかさず追いつく。36分、右サイドからの梅崎のクロスに中央の李がヘディングで合わせる。シュートはゴール左ポストに弾かれるものの、これを拾った興梠がDFを背負いながらも反転しながら左足でねじ込み、1-1の同点。一進一退の流れのままハーフタイムを迎えた。拮抗した展開の試合だが、後半立ち上がりに再び試合が動く。53分、右CKからのリスタートを遠藤がニアサイドに蹴ると、パトリックがマークを剥がしながらニアに走り込み、右足で合わせる。シュートはDFの隙間を縫うようにゴールネットに突き刺さり、1-2とG大阪が勝ち越し。G大阪はここから倉田を左SHに配置転換。守備のバランスを意識した4-4-2に移行する。浦和も57分にズラタン・関根、69分に高木を投入。特に左サイドに入った高木が縦の突破からのクロスでチャンスを作り出すが、ゴール前の攻防で身体を張った守備や東口の好セーブに阻まれ、1点の壁が厚い。更に後半AT、ゴール前の混戦でクリアボールの跳ね返りを奪った槙野が東口と1vs1の決定機を迎えるが、これも東口が弾き、そのまま試合終了のホイッスル。浦和は終盤の猛攻も最後のひと工夫が足りず、柏木の不在が響く形でまたしてもタイトル奪取を逃すことに。堅守速攻のスタイルで老獪な試合運びを見せたG大阪が2大会連続の天皇杯制覇を成し遂げ、有終の美を飾った。