2015.09.20 - 東京都社会人サッカーリーグ2部 3ブロック
SPERIO城北 × アローレはちきたFC
( 赤羽スポーツの森公園競技場,19:00 )
3ブロック制で戦う東京都2部リーグの、天王山ともいえる一戦。1部リーグへの昇格枠は、各ブロックごとに「1」。つまりブロックで優勝するしかない狭き門だ。本日対戦するSPERIO城北とアローレはちきたFCは、消化試合数こそ異なるが、ここまで共に全勝。この試合が実質上の昇格決定戦だといえる。スタンドには観客と両チームのサポーターが詰めかけ、このカテゴリとしては異例といえる約1,000人もの観客数を記録した。
試合は予想に違わぬ熱戦となった。キックオフから両者共に激しい攻撃の応酬。はちきたが連携プレーを主体に攻め込んだかと思えば、城北はボールを奪ってからカウンターを仕掛け、はちきたが更にカウンターで返すという緊張感の高い内容となる。均衡が破られたのは30分、やや高めに設定されていた城北のDFラインの裏をはちきたが上手く突くと、DFと入れ替わった橋場が狭い角度ながらシュートを流し込み、0-1とする。攻勢の中での失点でショックが大きいかと思われた城北だが、直後の33分、DFラインの裏を狙って出された浮き球のロングボールに走り込んだ長澤がダイレクトで左足を振り抜く。この意表を突く鋭いシュートがゴールに突き刺さり、1-1の同点。都リーグとは思えない超絶なゴールにスタンドは騒然となる。後半に入ると、同点とした勢いそのままに城北が攻勢に出るが、決定的に崩されたわけではないはちきたも守備を立て直し、機を窺う。67分、途中出場の山根が左サイドを抜け出し、シュートを流し込んではちきたが1-2と再度勝ち越し。城北は僅か5分前に選手交代で梃子入れを図った右サイドの裏を突かれる形となってしまう。その後、守備を固めて逃げ切りを図るはちきたに対し、城北の付け入る隙はないように思われた。しかし試合終了目前の後半AT3分、左サイドでの組み立てから右サイドへ流れたボールを磯部が持ち直してクロス。すると、これがループシュートのような弧を描きながら直接ゴールに向かっていき、GKの伸ばした手を掠めてファーサイドのゴールネットに突き刺さる劇的な同点ゴールとなった。奇跡的ともいえる展開に城北サポーターが総立ちとなって盛り上がる中、試合は2-2のドローで試合終了。結果はイーブンだが、得失点差で上に立つ城北が優位な状況をキープしたこともあり、城北の実質ホームともいえる「赤スポ」は勝利したかのような歓喜に包まれた。一方、逆転優勝に向けた大きな勝利をあと一歩で逃したはちきたの選手たちは、一様に落胆の表情であった。