2015.09.11 - 明治安田生命 J1リーグ 2ndステージ 第10節
浦和レッズ × 柏レイソル
( 埼玉スタジアム2002,19:30 )
柏が翌週火曜日にACL準々決勝の広州恒大戦を戦う関係で、今節唯一の金曜日開催となった一戦。平日ながら、埼玉スタジアムには29,169人の観客が集まった。現在、首位・広島を追うリーグ2位の浦和は、とにかく勝利してライバルが取りこぼすのを祈る状況。ACLと並行しての戦いの影響で柏もトップコンディションでないとはいえ、警戒は必要だ。
前半は浦和が押し気味に試合を進めた。柏は4バックに加えてアンカーの茨田が最終ラインの中央に組み込まれる形の5-4-1で守備をセットするものの、縦の揺さぶりに対する脆弱さを露呈。浦和の攻撃に対してDFラインにギャップが生じ、そこに縦パスを入れられることで決定的なピンチを何度も作られる。しかし、前半の決定的は菅野が徹底的に弾き返し、先制点を与えない。前線になかなかボールが収まらない柏は、エデルソンを前線の中央に据え、クリスティアーノを左サイドに回すなど、様々な組み合わせを模索しながら、なんとか前半を0-0で折り返すことに成功する。後半に入っても依然として浦和のペースは変わらないが、柏の守備の集中力は切れない。特にサイドからのクロスに対しては、例えCKになろうとも徹底的にニアで切ることでピンチを未然に防ぎ続けた。59分にはアンカーの茨田に代えて近藤を投入し、攻撃時のシステムを4-1-2-3から3-4-2-1に変更。システムが同じ浦和とのミラーゲームにすることで、更に試合を膠着させようと試みる。好守の距離感も良くなったことで、柏に流れは傾いていった。しかし88分、このまま0-0で試合終了かという雰囲気の色濃くなってきた中、思いもよらぬ形でスコアが動く。左サイドでボールを持ちだした槙野のパスをPA内で受けた高木が、柏の選手に囲まれながらもシュートに持ち込むと、グラウンダー性のボールは菅野の手前でワンバウンド。これで微妙にコースが変わったのか菅野がボールに触れず、シュートはそのままファーサイドに転がり込んだ。これまで散々ゴールに見放されてきた高木の移籍加入後初ゴールが決勝点となり、浦和が勝利。勝ち点1の確保にあと少しまで迫っていた柏の選手たちは、呆然とピッチに立ち尽くすしかなかった。