2015.08.02 - 明治安田生命 J3リーグ 第24節
FC町田ゼルビア × カターレ富山
( 町田市立陸上競技場,18:00 )
J3は2巡目の戦いが終盤を迎え、J2昇格争いもこれから本格化。現在2位につける町田はリーグ戦最少失点の手堅い戦いぶりが際立つが、前節は盛岡に0-1と敗れ、リーグ3敗目を喫した。3位・長野との勝ち点差が詰まっているだけに連敗は避けたい。鈴木(孝)がメンバー外の今節は、久木野と重松の2トップで試合に臨む。対する富山は1年でのJ2復帰に向けたシーズンだが、これまでリーグ戦8位と苦しい戦いが続いている。
前半に理想的な入り方をしたのは富山の方だった。後方から組み立てを図る町田に対し、前線からプレスをかけてパスワークを寸断。町田のリズムを奪い、手数をかけずにゴール前へ迫ろうとする。決定的な場面こそ作れないものの、試合の主導権は富山にあった。しかし前半AT1分、CKの際にゴール前での激しいポジション取りの中で北井が肘打ちをしたとして主審が一発退場の判定。不穏な空気の漂う中、0-0で後半へ折り返す。数的不利を強いられることとなった富山は、後半から萱沼を2列目に下げて4-4-1にシステムを変更し、カウンターに賭ける戦術。必然的にボールを「持たされる」立場となった町田が攻勢を仕掛けるものの、久木野と重松の2トップになかなかボールが収まらない。我慢の時間帯が続く富山にもチャンスは訪れる。83分、カウンターから途中出場の苔口がDFライン裏に抜け出しGKと1vs1になると、髙原がPA外で苔口を倒してしまいファウル。誰もが髙原の一発退場を覚悟したが、判定はイエローカード。再び富山の選手・スタッフが猛抗議する異様な雰囲気の中、試合は後半ATに入る。深津を前線に残しながらも効果的なパワープレイに繋げられずにいた町田だが、ほぼラストプレイかと思われたクロスボールの競り合いの中で平出が痛恨のハンドを犯してしまい、PKの判定。鈴木(崇)がこのPKを冷静に決め、町田が土壇場で1点を先制。このまま試合は終了となった。ホイッスルと同時に、怒りの収まらない岸野監督をはじめとした富山のベンチスタッフが猛然とピッチに乱入し、町田のスタッフが制止に入るなど、非常に後味の悪い結末となってしまった。可哀相にも思える結末となったが、そんな中でも、富山サポーターが奮闘した選手たちを声援で迎える光景が印象的だった。