2015.05.20 - Jリーグ ヤマザキナビスコカップ Aグループ 第5節
FC東京 × ヴァンフォーレ甲府
( 味の素スタジアム,19:00 )
リーグ戦で2連敗と失速気味の東京にとって、切り替える意味でも重要となる平日ナイトゲームのナビスコカップ。Aグループでは現在首位を走っており、この試合に勝利すればグループリーグ突破に王手をかけることができる。スタメンはリーグ戦から若干入れ替えたものの、負傷と疲労を抱える武藤を筆頭にレギュラーメンバーを多く含む陣容。一方の甲府は、先週に佐久間新監督が就任し、リーグ戦で早速勝利を挙げている。中3日で迎える今日は、大幅にメンバーを入れ替えて臨んできた。
5バック気味でDFラインを揃える守備的な甲府に対し、東京は「攻撃をさせてもらえる」状況の前半。序盤こそ攻めあぐねるものの、41分に波状攻撃から森重の右サイドからのクロスを、ファーサイドに待ち構えていた武藤がダイレクトで左足を一閃。見事なシュートがゴールに突き刺さり、東京が先制してハーフタイムを迎える。後半も依然として東京が優勢に試合を進め、甲府の付け入る隙は無いように思われた。しかし、追加点を奪うのか、1点を堅実に守りきるのか明確な意思が見えず、ボールを奪う場所も曖昧な間に、東京の試合運びに綻びが見え始める。太田をはじめとする明らかに調子の悪い選手のミスも目立ち、ピンチこそ少ないが不穏な空気がスタジアムを支配していた。そして迎えた85分、甲府はGK・荻を起点に途中出場のアドリアーノにボールを預けると、アドリアーノの落としたボールを受けた堀米が広大に空いた左サイドに展開。途中から左サイドにポジションを移していた松本がパスを受けると、ドリブルで左サイドを独走し、そのまま権田の守るゴールにシュートを流し込んで1-1。ワンチャンスを生かした形で甲府が追いつく。まさかの失点で勝利が遠のいた東京。しかしドラマは最終盤に待っていた。後半AT3分に武藤が左サイドでFKを獲得。太田のキックをファーサイドの林が競り合うと、こぼれ球に詰めてきた武藤が押し込んで東京が再び勝ち越し。武藤がオフサイドポジションにいたことから甲府の選手たちも猛抗議するが、ゴールは認められ、2-1で試合終了となった。東京は最終的に勝利を収めたものの、1-0の終盤にカウンターから喫した失点の方が大きな課題。手放しでは喜べない内容の勝利となった。