2015.01.12 - 全国高校サッカー選手権大会 決勝
前橋育英高校 × 星稜高校
( 埼玉スタジアム2002,13:35 )
埼玉スタジアムで行われる高校選手権の決勝は、共に初優勝を賭けた強豪校同士の対決。前橋育英は準決勝で流経大柏から土壇場で1点差を追いつき、PK戦を制しての決勝進出。対する星稜は準決勝で日大藤沢を3-0で下し、2年連続のファイナリストとなった。冷たい風が吹き荒れる中での試合となったが、スタジアムには46,316人の観衆が詰めかけた。
立ち上がりから攻撃的な姿勢を見せる前橋育英だが、10分に自陣でのパスミスをカットされると、ドリブルで持ち込んだ前川がPA内で吉田に倒されPKを獲得。前川自身が決め、星稜が先制する。前橋育英は高い位置からプレスをかける積極的な守備を仕掛けるが、その守備網を掻い潜った星稜がチャンスをいくつも生み出し、ほぼ一方的な流れのまま1-0でハーフタイムを迎えた。後半になると、一転して前橋育英が息を吹き返す。前線で孤立していた青柳・野口の2トップがより中盤での組み立てに関わることで流れを作り、53分に同点弾。前半から精度の高いキックでチャンスを作っていたGK・吉田のフィードがそのまま野口に渡り、シュートをねじ込んで前橋育英が追いつく。勢いのままに畳み掛ける前橋育英は、55分にカウンターから左サイドを崩した渡邊が右足で見事なシュートを決め、2-1と一気に逆転に成功。前橋育英の勢いが星稜を飲み込んだかと思われた。しかし星稜も易々とは引き下がらない。前橋育英が少しずつ逃げ切りを意識した試合運びに傾き始める中で迎えた64分、前橋育英のCKのチャンスからボールを奪うと、ロングカウンターからの大田のクロスをゴール前に詰めていた右SBの原田がヘディングで押し込み、再び2-2の同点。その後は壮絶な攻撃の応酬となるが決着は付かず、延長戦に突入した。どちらが勝っても不思議でない中、一進一退の攻防を制したのは星稜。95分、左サイドの組み立てから森山が狭い角度のシュートを叩き込み、勝ち越しに成功すると、延長後半は相手陣内で巧みに時間を稼ぎ、試合終了間際の110分に再び森山が豪快なミドルシュートを決め、勝利を確実にした。星稜は同校初の全国制覇を達成。療養中の河崎監督に贈る最高のプレゼントを勝ち取った。