2014.12.13 - 天皇杯 全日本サッカー選手権大会 決勝
ガンバ大阪 × モンテディオ山形
( 日産スタジアム,14:00 )
今年度の天皇杯決勝は、翌年1月中旬からAFCアジアカップが予定されていることを考慮し、12月中の開催。会場も国立競技場の改修のため日産スタジアムでの開催となった。例年とは異なる雰囲気の中戦うのは、3冠に王手を賭けているG大阪と、J1昇格プレーオフを制し、天皇杯でも決勝に残った山形との対戦。山形はクラブ史上初の国内3大タイトル決勝の大舞台ということもあり、約15,000人の大サポーターが駆け付けた。
先制点はG大阪だった。キックオフから僅か3分、東口のフィードをパトリックが空中戦で競り合うと、宇佐美がこぼれ球を胸トラップして素早く右足を振り抜く。強烈なシュートは山岸が辛うじて弾くものの、こぼれ球を再び宇佐美が押し込み、早々に1-0とする。その後もボールを奪ってからのカウンターで攻め手を緩めないG大阪は22分に追加点。山形のCKからのクリアボールを宇佐美が拾って持ち上がると、宇佐美のパスを受けたパトリックがDFを振り切ってゴールネットに豪快にシュートを突き刺した。得点シーンに限らず、前半はボールを奪ってからのカウンターを中心とした攻撃を見せるG大阪が圧倒的に支配し、山形は慎重になるあまりアタッキングサードにボールを運ぶことすらままならずに前半終了。しかし、山形もこのまま引き下がることはなかった。後半の頭から左サイドに舩津を投入すると、的確なポジション取りとシンプルながら精度の高いクロスを持ち味とする舩津のプレーで流れが変わる。62分、左サイドで舩津の縦パスを受けた石川が左サイド深くからクロス。ニアの松岡が潰れると、中央のロメロがダイレクトで合わせ、これが決まり2-1。直前に林を投入し、2トップにシステムを変更していた山形は、ここぞとばかりに反撃を開始。トップ下に位置を移したディエゴが林の献身的なポストプレイから積極的にシュートを放ち、G大阪のゴールに迫る。しかしG大阪も東口の好セーブなどでピンチをしのぎ、山形はなかなか追いつくことができない。すると85分、G大阪はゴール正面でボールを受けた宇佐美がほぼ助走が無い中で強烈なシュート。意表を突くシュートは當間の足に当たって弾道が変わり、そのままゴール。これが試合を決定づける3点目となり、このまま試合終了となった。堅実な守備と圧倒的な個の力で山形をねじ伏せたG大阪が優勝を決め、2000年に鹿島が達成して以来となる、ナビスコカップ・J1リーグ・天皇杯の「3冠」を達成した。