2014.11.26 - 天皇杯 全日本サッカー選手権大会 準決勝
ガンバ大阪 × 清水エスパルス
( 味の素スタジアム,19:00 )
天皇杯はいよいよベスト4の戦い。アジアカップ開催の影響に伴い決勝が12月に前倒しとなるため、準決勝も11月の平日ナイトゲームという強行日程での開催。味スタでは、「J1優勝争い」真っ只中のG大阪と、「J1残留争い」真っ只中の清水が対戦。両チーム共に天皇杯になかなか注力する余裕が無い中、G大阪はほぼベストメンバーを揃え、清水は若手主体のメンバーで臨むという好対照なラインナップで試合に臨んだ。
先に試合を動かしたのはG大阪。9分、PA外から宇佐美が意表を突くミドルシュートを放つと、雨で滑りやすくなったボールを櫛引がファンブルしてしまうラッキーなゴールで1点を先制。更に14分には左CKをパトリックが頭で合わせ、早々に2点を先行する。このままG大阪が圧倒しながら試合を進めていくかと思われたが、清水もここから反撃。20分にPA内でゴールに背を向けながらボールを受けた加賀美が振り向きざまの強引なシュートをねじ込んで1点を返すと、24分にはカウンターを起点に、村田のカットインからのスルーパスを高木(善)が決めて2-2の同点。中盤のメンバーを全員攻撃的な選手で揃える「ヤング・エスパルス」の勢いが際立つ。しかし、ここから再び流れを引き戻せるのがG大阪の強み。37分、左サイドから倉田がゴール正面へクロスを供給すると、ゴールから飛び出した櫛引の腕よりも僅かに早くパトリックの頭が触り、ヘディングシュートが決まって3-2と勝ち越しに成功した。出入りの激しかった前半と対照的に、後半は拮抗した内容となったが、これを打ち破ったのもG大阪の強烈な「個」の力。72分に後方からのロングボールをパトリックが収めると、この落としを受けた宇佐美が櫛引の中途半端な飛び出しを見抜き、絶妙なループシュートを決めて4-2と突き放しに成功。85分には途中出場のリンスが決めて5-2とし、勝利を決定的なものとした。結局、ベストメンバーの実力を如何なく発揮したG大阪が圧勝で決勝に進出し、「3冠」達成に一歩前進。対する清水はミス絡みの失点が響いて敗退を余儀なくされたが、加賀美のプロ初得点や、長沢の長期離脱からの復帰など、好材料を残りのリーグ戦に繋げたいところだ。