2014.11.08 - Jリーグ ヤマザキナビスコカップ 決勝
サンフレッチェ広島 × ガンバ大阪
( 埼玉スタジアム2002,13:05 )
ナビスコカップ決勝の顔合わせは、ACL出場のためベスト8から登場した広島と、グループリーグから勝ち上がってきたG大阪の対戦。広島は3季連続のタイトル獲得を目指す一方、G大阪は今季3冠の可能性があり、タイトルへの意欲は非常に高い。今年から国立競技場の改修に伴い、埼スタに舞台を移しての決勝開催。チケットは完売はならなかったが、38,126人の観客が詰めかけ、注目度の高さを窺わせる客入りとなった。
先制したのは広島だった。高い位置からのプレスが機能し、ボールを支配できていた時間帯の18分、PA内で髙萩の縦パスを受けた石原のトラップしたボールが岩下の手に当たり、ハンドの判定で広島にPK。西村主審の裁定にG大阪の選手たちが抗議する中、佐藤が冷静にPKをゴール右隅に決めて1-0とする。更に35分、山岸の左サイドからのクロスに対してG大阪の守備がクリアし損ねたところを石原がすかさずシュート。強烈なシュートはDFに当たってポストに弾かれるが、そのこぼれ球をまたしても佐藤が押し込み、広島が2点をリードした。しかし、この広島のリードはG大阪の勢いを引き出すための「序章」でしかなかった。G大阪も黙ってはいない。直後のキックオフから怒涛の反撃を仕掛けると、38分に左サイドからの遠藤のクロスをパトリックが頭で上手に合わせ、これが決まって1点差。起死回生の追撃弾で、一気に流れはG大阪に傾く。それまでの内容が嘘のようにG大阪のプレスが機能するようになり、ハーフタイムを挟んで迎えた54分、左サイドからの宇佐美のクロスをまたしても中央のパトリックが頭で決め、2-2の同点に追いついた。こうなると今のG大阪は手が付けられない。パトリックの懐の深いボールキープにより、「危険なエリア」で溜めを作り出す。そして71分、パトリックがポストプレイで落としたボールを阿部がシュート。林がなんとかシュートを弾くが、そこに詰めてきた大森がすかさず頭で押し込み、遂に2-3と逆転に成功した。終盤の広島は攻撃的なカードを投入し、パワープレイも織り交ぜながらゴール前にボールを供給するが、G大阪と対照的に前線でボールを収めることができずに散発的な攻撃に終始し、そのまま試合終了のホイッスル。劇的な逆転劇で広島を沈めたG大阪が、2007年のナビスコカップ以来、実に7年ぶりの国内3大タイトル獲得を果たした。