2014.09.20 - Jリーグ ディビジョン2 第32節
東京ヴェルディ × カターレ富山
( 味の素スタジアム,13:00 )
現在、J2で20位の東京Vは、J2残留争いのライバルである讃岐との直接対決で敗れるなど手痛い黒星が続いており、今週になって三浦監督を遂に解任。東京Vユースを率いる冨樫監督が内部昇格の形をとり、J2に踏みとどまるべく緊急体制でシーズンの残り試合を戦うこととなった。一方の富山は現在最下位に沈んでおり、J2残留がかなり厳しい状況。どちらにとっても勝利が至上命題といえる非常に大事な一戦となった。
均衡を破ったのは富山だった。12分、左サイドの朴台洪のロングフィードを受けた苔口が見事なトラップでDFライン裏に抜け出し、狭い角度ながらシュートを流し込んで1点を先制する。富山はボールを奪ってから前線の苔口・宮吉に放り込むことを第一の選択肢とし、第二の選択肢としてサイドを変えたり、パスでゲームを作るという優先順位付けを明確にしていたことが結果にも繋がった。前半を良いところなく終える形となった東京Vは、後半開始から平本を投入。シュートで終わる強引さが持ち味のストライカーの投入により、後半の立ち上がりは東京Vが流れを引き戻し、富山ゴールを脅かす場面を作り出していた。しかし、富山が早めの選手交代で守備を固めてくると、アタッキングサードを前にして無駄な手間をかけてしまう場面が目立ち始め、チャンスを作り出すことができない。終盤は東京Vのハーフコートゲームが続くこととなったが、富山は5バック気味の徹底的なリトリートで守備を固め、数少ない東京Vのシュートチャンスも廣永の好セーブなどで守りきり、0-1のまま試合終了。富山は第20節の長崎戦以来、実に12試合ぶりの勝利。アウェイでは今季初勝利となり、遥々駆け付けた富山サポーターに歓喜を届けることに成功した。一方、新体制での初戦で手痛い敗戦を喫した東京Vのサポーターは、重い沈黙で選手たちを迎えていた。