2014.01.13 - 全国高校サッカー選手権大会 決勝
富山第一高校 × 星稜高校
( 国立霞ヶ丘競技場,14:05 )
国立競技場の改修前最後となる高校選手権の決勝戦。その大舞台に勝ち上がってきたのは共に初の決勝進出校。しかも、北陸の隣県同士である富山一高と星稜高の対決となった。試合のチケットは完売。48,000人を超える大観衆が駆けつけ、最高の雰囲気の下で試合が行われた。
試合の立ち上がりは富山一高が積極的に仕掛け、セットプレイを中心にチャンスを作るものの、徐々に星稜高が流れを引き寄せる。33分、富山一高はPA内で村上が足裏を見せたタックルを犯してしまいPK。これを寺村が決め、星稜高が先制する。こうなると、大会で未だ無失点を誇る星稜高守備陣が本領を発揮。ボランチの平田が出場停止の中、代役の鈴木が守備に貢献し、付け入る隙を与えない。70分にはカウンターから仲谷のクロスを森山が頭で決めて2-0。試合の行方は決したかに思われた。
しかし87分、左サイドでフリーとなった村井のクロスを高浪が冷静なトラップから決めて1点差。これで国立の空気は一変する。大会初めての失点に加え、富山一高のプレイ1つ1つに大歓声が沸く国立の空気に、星稜高は完全に飲まれていた。後半AT2分、PA内でパスを受けた竹澤を森下が倒してしまい、土壇場で富山一高にPK。大観衆が固唾を飲んで見守る中、大塚が決めて2-2の同点。試合は延長戦へ入る。延長戦は一進一退の攻防が繰り広げられたが、決着がついたのは109分。城山のロングスローのこぼれ球に詰めていた村井が左足を振りぬくと、シュートはゴール右隅に突き刺さった。これが決勝点となり、3-2で試合終了。劇的な大逆転で富山一高が「北陸対決」を制し、富山県勢として初の優勝の栄誉に輝いた。