2011.11.06 - J2 第34節
湘南ベルマーレ × FC東京
（ 平塚競技場,16:00 ）
誰もが息を飲んだ瞬間だった。1-1の同点で迎えた81分、右サイドでボールを持った中村が単独で突破を試みる。湘南の選手2人に囲まれて倒れこむものの、必死で足を伸ばしボールをキープ。そのまま相手をかわしてサイドを切り崩し、鋭いクロスを供給した。待っていたのはセザー。冷静に右足でボールを足元に置くと、反転しながら左足を振り抜き、試合を決める勝ち越しゴールを叩き込んだ。次の瞬間、両手で顔を覆ってピッチに倒れ込んだ中村を中心に歓喜の輪ができた。諦めずに前へ突き進む泥臭い姿勢が生んだ、見事なゴールだった。2-1。東京は4試合ぶりの勝利だ。
楽な試合ではなかった。梶山と高橋の出場停止に加え、今野が日本代表への召集で欠場。更に前日に徳永が首を負傷したことで、ノースが5ヶ月ぶり、下田が東京では初となるスタメンで起用されるなど、限界に近い台所事情での試合だった。それでも、守備では失点をPKによる1点に抑え、攻撃では途中出場のセザーが2ゴールを挙げた。これまで控えに回っていた選手たちが最高の結果を出した。3位の札幌、4位の徳島が共に勝利を逃したことにより、次節にもJ1昇格が確定する可能性が出てきた。10月の連戦でもがき苦しんだ東京だが、ようやく到達すべきラインが見えてきた。
