2008.12.06 - J1 第34節
ジェフユナイテッド千葉 × FC東京
（ フクダ電子アリーナ,14:30 ）
東京が1-0とリードして迎えた53分、左サイドを攻め上がった長友がカットインしてシュート。櫛野の手をすり抜けたボールがゴールネットに突き刺さった瞬間、この試合は「終わった」ように見えた。17位の千葉は、最低でもこの試合に勝利することがJ1残留の絶対条件。千葉のJ2降格が物語の結末だと誰もが予想した。しかし、劇場の緞帳は下りていなかった。
74分、カウンターから抜け出した新居のシュートが塩田の手を弾いてゴールに吸い込まれたその瞬間、劇場の雰囲気は一変した。 地鳴りのような黄色のサポーターの歌声は、やがて大きな「うねり」となり、東京の選手を飲み込んでいく。そこから11分間の出来事は夢でも見られないような大どんでん返しだった。試合終了後にスタジアムに届いたのは、15位･磐田と16位･東京Vが共に敗れたとの報せ。それは千葉の奇跡的なJ1逆転残留を意味していた。ある選手はピッチを駆け回り、ある選手はピッチに倒れ伏し、ある選手は号泣し、歓喜の瞬間を噛み締めた。日が暮れても、スタジアムから歌声は止むことはなかった。「感動」が凝縮されたJ1最終節であった。
