2006.11.11 - Jリーグ ディビジョン1 第30節
FC東京 × 川崎フロンターレ
（ 味の素スタジアム,15:00 ）
小雨が降りしきる中、激動の試合は開始早々に動く。7分、FKの処理を土肥が誤ったところを谷口が押し込んで川崎が先制。東京もルーカスのゴールで追いつくものの、川崎の勢いは止まらない。17分に左サイドからの折り返しを我那覇、42分に同じく左サイドからの折り返しをジュニーニョ、49分に縦パスに抜け出したマギヌンが決め、3点差をつける。東京は川崎の素早い展開に全くついていけず、試合は決したように思われた。
しかし、51分に馬場がファウルを受けてからの早いリスタートを戸田が決めて2-4とすると、俄かにスタンドが活気づく。更にその直後、ジュニーニョがシミュレーションでこの日2枚目の警告を受けて退場になると、試合の流れも一気に東京優位へと傾いていった。東京は宮沢･平山を投入してロングボール攻勢。数的不利の川崎は跳ね返すことしかできない。83分に平山が空中戦に勝利して3-4とした直後、更にマルコンが遅延行為で退場。9人になった川崎をひたすら攻めたてる東京に歓喜が訪れたのは後半ロスタイム。鈴木のシュート性のクロスを宮沢が頭で押し込み、4-4の同点。更にロスタイムが5分に差し掛かった頃、PA外でフリーでボールを受けた今野のミドルシュートが突き刺さり、5-4と奇跡の大逆転。味スタのスタンドはもはや歓喜を超え、狂喜乱舞の光景が広がった。しかし、この逆転劇はあくまでも川崎に退場者が相次いだことで東京に勢いが転がり込んだからこそ生まれたもの。主審のジャッジに川崎の選手は混乱を隠せず、敗将の関塚監督も「選手にどのような指導をすれば良いのか･･･」と恨み節を垂れるしかなかった。この勝利に決して浮かれず、次の試合に臨むことが大切だ。
