2025.8.10 (日)
2025 明治安田J1リーグ 第25節
FC東京 × 鹿島アントラーズ
( 味の素スタジアム,19:00 )
match memo
- サマーブレイクを挟み、3週間ぶりの開催となるリーグ戦の試合。我らがFC東京はホームに鹿島アントラーズを迎えての一戦である。激しい首位争いの真っ只中にある鹿島を相手に、遅まきながらチーム状態を上げてきた東京がどこまでやれるか試金石となる一戦。東京は4日前に行われた天皇杯ラウンド16のセレッソ大阪戦でも2-1と勝利しており、勢いを維持して臨みたいところ。今日の天気は朝から強い雨が断続的に降る難しいコンディションとなったが、相手が好調の鹿島ということもあり、40,000人を超える観客が味スタに来場。試合前にはクラブと調布市から重大発表が行われ、2028年度を目途に味スタの隣接地へ練習場を移転する計画が発表。非常に良い雰囲気の中で試合が行われることとなった。東京は森重がメンバー外となり、代わりに岡がCBでスタメン。対する鹿島には荒木・小川・田川の古巣対決組がメンバーに入っている。彼らには仕事をさせたくないところだ。
- そんな中、キックオフ前のコイントスで鹿島はコートチェンジを選択。東京にとってはしばらく遭遇(?)する機会の無かったコートチェンジにより、前半はホーム側に向かって攻めることとなる。温まり切ったスタンドの雰囲気の後押しを受け、開始早々にヒアンがドリブルで持ち込んでからのオープニングシュートはゴールポストをヒット。続く3分にも室屋のクロスをヒアンがトラップからフィニッシュへ持ち込むが、GK・早川がセーブされる。対する鹿島も、9分に荒木のミドルシュートが枠をかすめたかと思えば、15分には左サイド深くまで侵入した小川のクロスにレオセアラが頭で合わせ、金承奎が弾き出して事なきを得る。鹿島の攻勢を東京が凌ぐと、再び東京が主導権を握る。25分にショルツの持ち運びから右サイドを抜け出した長友がクロスを入れると、ニアに入った長倉がダイレクトで枠を狙うが、これも早川がビッグセーブでゴールを割らせない。その後も東京がサイドを押し込み鋭いクロスを入れ続けるが、肝心のフィニッシュまで持ち込むことができず。結局0-0のまま前半を終える。
- 鹿島はハーフタイム明けから2枚替えで中盤の攻勢を見直す一方、東京は後半に入っても引き続きテンション高く攻め続ける。53分に室屋がアクシデントのためバングーナガンデに交代となるが、この時点では試合の流れを大きく左右するような状況とはならない。鹿島は61分にアジリティのある田川を投入。試合前からぱらついていた雨脚が徐々に強まり、足元の状況も悪くなる中、ゲームスピードは依然として高い状態を維持したまま。66分には俵積田と佐藤が連続シュートを浴びせるが、いずれもゴールマウスを脅かすには至らない。81分、鹿島は右サイドのスローインでのリスタートからボールを繋ぎ、右サイドに流れていた鈴木がクロスを中へ送り込むと、タイミング良く中に入ってきた田川がダイレクトでゴールマウスを射抜き0-1。試合終盤で鹿島が先手を奪った。その後は東京が懸命に1点を追い、追加タイムも含めてCKなどのチャンスを得たものの、ゴールを割ることができないままタイムアップ。鹿島が大きな勝点3を獲得し、リーグ首位に立っている。
- 「あの内容」で勝点1すら取れなかったこと、ただそれだけが不満に感じる試合だった。前半は非常に良い入り方を見せ、10~20分にかけて守勢に回った時間帯を除けば、ほぼ一方的にゲームを支配していた。ヒアンと長倉がポストプレイからフィニッシュまで満遍なく絡み、両サイドも深くまで押し込むことができていた。しかし、前半に得たチャンスをことごとく決めきれなかったことで後半にツケを払わされる形になってしまった。鹿島にとっては前半をスコアレスで凌いだことでほぼプラン通りの試合展開になったのではないかと思われる。後半途中から田川を投入して、一発で裏を返すことのできる態勢を整え、実際にその狙った形で決勝点を奪いきった。また、もうひとつの隠れた勝因として、コイントスでコートチェンジに成功したことも挙げられるだろう。東京はここのところ味スタでのホームゲームで終盤での得点が極めて多い。その要因として、味スタのスタンドが作り出す雰囲気が選手たちの背中を押しているという点は少なからずあったはずだ。コートチェンジすることで後半に自分たちがホーム側のスタンドを背負わずに戦うことができるので、これもひとつのアドバンテージになったといえる。勝利の可能性を最大化するためであれば何でもやる。それが鹿島の強さの源泉ともいえるだろう。しばらくホームでコートチェンジされる試合を観ていなかったぶん、一杯食わされた感の残る敗戦だった。
- いずれにせよ、負けは負けであり、今のサッカーの正しさを証明するには結果を出すしかない。今日の敗戦により、東京の順位は15位に後退。これからも重要なゲームは続く。次節は来週末、17位・湘南ベルマーレとのアウェイ戦だ。負傷者が再び増えつつある中、今節も室屋が負傷退場を余儀なくされるなど今後への不安要素は残るが、完全に決着をつけられていないJ1残留争いから確実に脱却するためにも次節は負けられない。今日の反省をしっかりと生かして次のゲームに臨んでもらいたい。
FC東京 |
0 |
0 | 前半 | 0 |
1 |
鹿島アントラーズ |
0 | 後半 | 1 |
|
|
|
| | 得点 | 81' | 田川 亨介 |
GK | 81 | 金 承奎 | GK | 1 | 早川 友基 |
DF | 5 | 長友 佑都 | DF | 25 | 小池 龍太 |
| 24 | アレクサンダー ショルツ | | 55 | 植田 直通 |
| 30 | 岡 哲平 | | 3 | 金 太鉉 |
| 2 | 室屋 成 | | 7 | 小川 諒也 |
MF | 16 | 佐藤 恵允 | MF | 71 | 荒木 遼太郎 |
| 18 | 橋本 拳人 | | 6 | 舩橋 佑 |
| 8 | 高 宇洋 | | 20 | 三竿 健斗 |
| 33 | 俵積田 晃太 | | 77 | チャヴリッチ |
FW | 26 | 長倉 幹樹 | FW | 9 | レオ セアラ |
| 19 | マルセロ ヒアン | | 40 | 鈴木 優磨 |
GK | 31 | 小林 将天 | GK | 29 | 梶川 裕嗣 |
FP | 6 | バングーナガンデ 佳史扶 | FP | 4 | 千田 海人 |
| 10 | 東 慶悟 | | 10 | 柴崎 岳 |
| 28 | 野澤 零温 | | 11 | 田川 亨介 |
| 37 | 小泉 慶 | | 13 | 知念 慶 |
| 39 | 仲川 輝人 | | 14 | 樋口 雄太 |
| 44 | エンリケ トレヴィザン | | 23 | 津久井 佳祐 |
| 88 | 山口 太陽 | | 27 | 松村 優太 |
| 99 | エヴェルトン ガウディーノ | | 28 | 溝口 修平 |
| | | 交代 | HT | | 荒木 遼太郎 |
| | | 松村 優太 |
| | | 舩橋 佑 |
| | | 知念 慶 |
室屋 成 | | 53' | 交代 | | | |
バングーナガンデ 佳史扶 | | | |
| | | 交代 | 61' | | チャヴリッチ |
| | | 田川 亨介 |
| | | 交代 | 75' | | レオ セアラ |
| | | 樋口 雄太 |
| | | 警告 | 76' | | 三竿 健斗 |
マルセロ ヒアン | | 78' | 交代 | | | |
仲川 輝人 | | | |
俵積田 晃太 | | | |
野澤 零温 | | | |
| | | 交代 | 79' | | 三竿 健斗 |
| | | 溝口 修平 |
| | | 得点 | 81' | | 田川 亨介 |
橋本 拳人 | | 89' | 交代 | | | |
東 慶悟 | | | |
佐藤 恵允 | | | |
エヴェルトン ガウディーノ | | | |