2025.7.19 (土)
2025 明治安田J1リーグ 第24節
FC東京 × 浦和レッズ
( 味の素スタジアム,19:00 )
match memo
- 韓国で開催された東アジアE-1サッカー選手権による日本代表活動ウィークを挟み、2週間ぶりとなるリーグ戦。今節を終えると再び3週間の中断期間に入るため、可能な限り全力投入をしたい一戦だ。我らがFC東京は前節のアウェイ・柏レイソル戦で接戦を演じたものの、終盤の失点により0-1と敗戦。勝点は「26」のままに留まった。6月末に行われた横浜F・マリノスと横浜FCとの連戦を共に勝利で飾ったとはいえ、まだJ1残留争いで充分に安全な状況とはいえない立場であり、連敗は避けたい一戦である。
- 今節ホームに迎える相手は浦和レッズ。浦和はアメリカで行われたクラブワールドカップに出場していた関係でリーグ戦をしばらく戦っておらず、公式戦もそのクラブW杯でのモンテレイ戦(6/26)以来。コンディション面では優位だが、試合勘という点ではどうか。東京は7/16に行われた天皇杯の大分トリニータ戦から中2日というタイトな日程だが、メンバーを大幅に入れ替え。浦和から期限付き移籍中の長倉が契約上出場できないため、前線は佐藤とヒアンの2トップだ。味スタには(毎度のこととはいえ)浦和サポーターが大挙して詰めかけ、35,687人の入りとなった。
- 幸先良いスタートを切ったのは東京。6分、最終ラインのショルツがドリブルで持ちあがって全体を押し上げたのを起点に、長友の左足でのクロスを中央の遠藤が頭でフリック。コースの変わったボールがそのままゴール左隅に吸い込まれ、東京が早々に1点を先制する。その後も東京がテンションお高い守備から主導権を握り、9分に佐藤、12分に長友がそれぞれチャンスを迎えるが、いずれもフィニッシュを枠に収めきれない。すると15分、浦和は左サイドのクロスからのこぼれ球を拾った安居が右足を振り抜くと、ゴール右隅を捉えたシュートが決まって1-1の同点。更に20分、サヴィオが左サイドのスペースにボールを出すと、そこに抜け出した渡邊がそのまま持ち込んでニアにパワーシュートを叩き込み1-2と逆転。渡邊の抜け出しの際に交錯・転倒したショルツの戻りが遅れたこともあり、東京の選手たちは渡邊のファウルをアピールするが、VARチェックでも得点が認められる。それでもなお東京は攻勢を続け、24分に俵積田、31分にヒアンがシュートを狙うがいずれも決めきれず。追加タイムには右サイドでの橋本のボール奪取からクロスをヒアンが決めて同点に追いついたかと思われたが、VARチェックにより橋本のファウルがとられて得点は取り消し。東京がゲームを支配しながらも、浦和がリードする展開で前半を終える。
- 前半からのハイテンションなサッカーに加えて気温の高さもあり、東京の方が先に足が止まってしまうのではないかと気を揉んだが、後半に入っても東京が攻め続ける。52分に俵積田が左サイドをドリブルで独走してチャンスを作り出したのを皮切りに、東京がサイドを押し上げて浦和を自陣に閉じ込めるサッカーを展開。そして67分、右サイドの攻勢から長友が中央へパスを差し込むと、これを収めたヒアンが相手選手を背負いながらもキープし、振り向きざまに左足でシュート。するとブロックに入った石原の足に当たってボールが浮き上がり、セーブの構えを見せて身体を倒していたGK・西川の伸ばした手も届かず、ボールが転々とゴールに転がり込んで2-2の同点。運が味方したとはいえ、ボックス内のヒアンにボールを入れた時点で勝負あったともいえるゴールだ。
- 後半途中から完全に足の止まった浦和に対して東京は消耗の色を見せずに攻め続け、シンプルにヒアンを狙ったラフなボールを織り交ぜながら押し込み続ける。88分、東京は左CKを安斎が蹴ってゴール前が競り合いとなり、こぼれ球を野澤がボレーでプッシュ。バウンドしてループ気味になったシュートを浦和の守備陣が必死に防ごうとする中、そのこぼれを仲川が再び頭でプッシュすると、これをクリアしようとしたボザと西川が交錯するような形でボールごと自陣ゴールに押し込む形となり、遂に東京が3-2の再逆転に成功した。長めにとられた追加タイムには浦和が最後の猛攻を見せ、シュートがクロスバーを直撃するピンチにも遭ったが、肝心のゴールは割らせずに試合終了。最後まで果敢に攻め続けた東京が劇的な勝利を飾り、5月に行われた埼玉スタジアムでの2-3の逆転負けの借りを返してみせた。
- 日程面や選手起用面でのハンディキャップを抱える中、東京がこれ以上無いくらいのパフォーマンスを見せてくれた試合だった。細かな課題は当然あるのだろうが、最大の勝因は走り負けなかったこと。前半にリードを許しながらも前からしつこくプレスをかけ続け、後半に入ってもその運動量は落ちることが無かった。特に長友と室屋の両SBは、左右のバランスを考慮するよりも攻められる場面では積極的に前へ出ていき、この試合で主導権を握る最大の要因となった。後半に入ってからは浦和の選手たちの足が一様にピタリと止まり、逆転するまでの時間はワンサイドゲームに近い展開を作ることができた。後半の2得点は決して美しい形ではなかったが、いずれも執拗な攻撃から泥臭くこじ開けたといえるもので、東京ファンにとってはむしろ「こういうゴールが見たかった」と評したいくらい。長倉の不在という懸案事項についても、前半から続いた執拗なハイプレスと、それに伴う両サイドの積極的な押し上げ、更にヒアンを狙った効果的なロングボールの活用など、できる限りのことをやりきって穴埋めしてみせた。
- この勝利によって東京は勝点を「29」に伸ばし、本日終了時点で暫定ながら順位も13位に浮上。J1残留争いから一歩抜け出したといえる大きな勝利だったといえるのではないだろうか。リーグ戦は再びサマーブレイクに入り、次節は3週間後となるが、ここでフィジカルコンディションをしっかり整えて再開後の快進撃に繋げてくれることを期待したい。
FC東京 |
3 |
1 | 前半 | 2 |
2 |
浦和レッズ |
2 | 後半 | 0 |
|
|
|
遠藤 渓太 | 6' | 得点 | 15' | 安居 海渡 |
マルセロ ヒアン | 67' | | 20' | 渡邊 凌磨 |
仲川 輝人 | 88' | | | |
GK | 81 | 金 承奎 | GK | 1 | 西川 周作 |
DF | 5 | 長友 佑都 | DF | 4 | 石原 広教 |
| 24 | アレクサンダー ショルツ | | 3 | ダニーロ ボザ |
| 3 | 森重 真人 | | 5 | マリウス ホイブラーテン |
| 2 | 室屋 成 | | 88 | 長沼 洋一 |
MF | 22 | 遠藤 渓太 | MF | 25 | 安居 海渡 |
| 18 | 橋本 拳人 | | 11 | サミュエル グスタフソン |
| 8 | 高 宇洋 | | 77 | 金子 拓郎 |
| 33 | 俵積田 晃太 | | 13 | 渡邊 凌磨 |
FW | 16 | 佐藤 恵允 | | 8 | マテウス サヴィオ |
| 19 | マルセロ ヒアン | FW | 17 | 小森 飛絢 |
GK | 31 | 小林 将天 | GK | 16 | 牲川 歩見 |
FP | 7 | 安斎 颯馬 | FP | 6 | 松本 泰志 |
| 14 | 山下 敬大 | | 9 | 原口 元気 |
| 28 | 野澤 零温 | | 12 | チアゴ サンタナ |
| 30 | 岡 哲平 | | 14 | 関根 貴大 |
| 32 | 土肥 幹太 | | 21 | 大久保 智明 |
| 37 | 小泉 慶 | | 24 | 松尾 佑介 |
| 39 | 仲川 輝人 | | 26 | 荻原 拓也 |
| 99 | 白井 康介 | | 35 | 井上 黎生人 |
遠藤 渓太 | | 6' | 得点 | | | |
| | | 得点 | 15' | | 安居 海渡 |
| | | 得点 | 20' | | 渡邊 凌磨 |
遠藤 渓太 | | 58' | 交代 | | | |
安斎 颯馬 | | | |
| | | 交代 | 62' | | マテウス サヴィオ |
| | | チアゴ サンタナ |
| | | 小森 飛絢 |
| | | 松尾 佑介 |
マルセロ ヒアン | | 67' | 得点 | | | |
| | | 交代 | 73' | | 金子 拓郎 |
| | | 関根 貴大 |
| | | 長沼 洋一 |
| | | 荻原 拓也 |
佐藤 恵允 | | 75' | 交代 | | | |
仲川 輝人 | | | |
俵積田 晃太 | | | |
野澤 零温 | | | |
| | | 警告 | 80' | | ダニーロ ボザ |
| | | 交代 | 84' | | 安居 海渡 |
| | | 松本 泰志 |
マルセロ ヒアン | | 86' | 交代 | | | |
山下 敬大 | | | |
高 宇洋 | | | |
小泉 慶 | | | |
仲川 輝人 | | 88' | 得点 | | | |
室屋 成 | | 90+2' | 警告 | | | |
アレクサンダー ショルツ | | 90+4' | 警告 | | | |