2025.6.28 (土)
2025 明治安田J1リーグ 第22節
FC東京 × 横浜FC
( 味の素スタジアム,19:00 )
match memo
- 6/25の水曜日に行われたJ1リーグ第15節の振替開催でアウェイながら横浜F・マリノスを3-0で下し、残留争いにおいて重要な3ポイントを挙げた我らがFC東京。5/10のヴィッセル神戸戦以来、リーグ戦6試合ぶりの勝利で、ようやくチームが立ち直る兆しが見え始めたところだ。そして迎えた週末のゲーム、対戦相手は現在18位の横浜FC。17位の東京とは勝点4ポイント差であり、今日も残留争いの上で落とせない試合となる。水曜日に試合を消化して中2日の東京に対し、横浜は中5日とコンディション面では圧倒的に有利。そんな中、東京は水曜日からスタメンを大幅に入れ替えて選手層で勝負。最終ラインには今月初頭の移籍マーケットで獲得したショルツが初めてのメンバー入りにして即スタメン出場。一方、2日前にベルギーのロイヤルアントワープへの完全移籍が発表されたGKの野澤は、今日が東京でのラストマッチとなった。
- 4分、横浜は左サイド深くに入れたロングボールの収めから、ルキアンが戻したボールを山田がダイレクトで折り返すと、タイミング良くボックス内に走り込んだ櫻川がヘディングで叩き込み0-1。開始早々、アウェイの横浜が大きな先制点を奪う。今季未だ逆転勝利の無い東京にとって、非常に手痛い失点だ。その後は東京の守備が安定してきてボールも支配するようになるが、横浜の守備網が分厚く、最終的には跳ね返される局面が繰り返される。30分過ぎの時間帯はある程度ゴールに迫る雰囲気はあったが、あくまで雰囲気どまり。これといった決定機を得られないまま、前半は0-1で折り返す。
- 後半に入っても東京が押してはいるものの劇的な内容の変化は見られず、59分に最初の交代。ヒアン・東・俵積田を下げ、長倉・仲川・佐藤を投入する3枚替え。この効果はすぐさま表れ、63分に長倉のパスを仲川が跨ぎ、フリーで詰めた遠藤がダイレクトで右足を振り抜くが、シュートは僅かに枠の上に外れてしまう。2トップに入った長倉と仲川の縦関係が良く、70分には長倉の楔のパスを受けた仲川の落としから長倉が際どいシュートを放つなど流れを引き寄せ、東京が一方的に押し込む展開に。79分、東京の波状攻撃から高がボックスに入った所の球際で相手選手に倒され、当初はエリア外からの直接FKとなるが、VARチェックによりPKに判定変更。同点に追い付く最大のチャンスを得る。しかしショルツのキックはGK・市川に防がれてしまい、まさかの失敗。ホーム側観客席には大きなため息と共に、これだけ攻めても決まらないのか―という重苦しい雰囲気が支配した。
- しかし東京はなおも攻撃の手を緩めない。85分、ショルツのフィードを右サイドのスペースで受けた仲川が佐藤に渡して粘り、戻したボールを受けた橋本がクロス。高い弾道のクロスは横浜の選手たちの頭上を越え、ファーサイドに詰めていた長倉の頭にピタリ。長倉のヘディングシュートが遂にゴールを破り、1-1の同点となる。再開直後に横浜がサイド攻撃から際どい場面を作り肝を冷やすが、その後は再び東京が逆転を目指して猛攻。9分と表示された追加タイムはハーフコートゲームとなる。なかなかゴール前へ決定的なパスが出ずにもどかしい時間が続くが、所定の9分を過ぎたラストチャンスといえる時間に室屋がボックス内へ差し込んだパスを長倉が収め、背後についたンドカのチャージで倒される形になり、PKの判定。先ほどGKに止められたばかりの難しいPKを蹴るのは森重だ。スタンドの誰もが固唾を飲んで見守る中、森重が強烈なパワーシュートをほぼど真ん中に蹴り込み2-1。ホーム側のスタンド前に選手たちの歓喜の輪が生まれる中、試合は再開することなくタイムアップ。東京が劇的な結末で勝点3を獲得した。
- 今季リーグ戦で初めてとなる逆転勝利は、J1残留争いの命運を賭けた重要すぎる一戦での劇的な決着によって生まれた。試合の立ち上がりに横浜が最高の入り方をして1点を取り切り、5バックの分厚い守備で東京の前に立ちはだかった。6月の中断明けから4バックへのシステム変更後、リーグ戦では初めてとなる3-4-2-1の布陣を敷くチームを相手にした東京は、特に前線の選手同士の距離が遠く、ボールを繋ぐことも、こぼれ球を拾うこともできずに苦しんでいた。これは今季のリーグ開幕戦で三ツ沢で横浜と戦った際と同じ光景だった。しかし後半最初の交代で3人を入れ替え、特に距離感の良い長倉と仲川を前線に並べたのが良かった。アタッキングゾーンで選手同士の距離が近くなり、相手に寄せられた中でもボールを繋ぎ、拾えるようになった。これが終盤の猛攻へと繋がったと思う。ショルツのPK失敗はさすがにショックだったが、そこから割り切ったクロス攻勢に出てゴール前の迫力を失わず、すぐさま同点にできたことで、逆転勝利への道筋が繋がった。特に、値千金の同点弾、そして決勝点となるPKを奪取した長倉は、神がかり的なパフォーマンスだった。東京でのラストマッチだった野澤も、1失点はしたが不安定さは無かった。勝利で終えることが出来て良かったのではないか。
- この重要な一戦を制したことで東京は勝点を「23」から「26」に伸ばし、順位も湘南を抜いて16位に浮上。18位の横浜とは7ポイント差に引き離した。この2連勝によって山場は無事に乗り切った感があるが、全体の順位表を見ればまだボトム付近にいることに変わりは無い。7月と8月は上位チームとの試合が多いタフな時期となる。来週末は2位・柏レイソルとのアウェイ戦。引き続き難しい試合が続くが、切り替えて次の試合に臨みたい。
FC東京 |
2 |
0 | 前半 | 1 |
1 |
横浜FC |
2 | 後半 | 0 |
|
|
|
長倉 幹樹 | 85' | 得点 | 4' | 櫻川 ソロモン |
森重 真人(PK) | 90+13' | | | |
GK | 41 | 野澤 大志ブランドン | GK | 21 | 市川 暉記 |
DF | 2 | 室屋 成 | DF | 16 | 伊藤 槙人 |
| 24 | アレクサンダー ショルツ | | 2 | ンドカ ボニフェイス |
| 3 | 森重 真人 | | 30 | 山﨑 浩介 |
| 6 | バングーナガンデ 佳史扶 | MF | 20 | 村田 透馬 |
MF | 18 | 橋本 拳人 | | 6 | 駒井 善成 |
| 8 | 高 宇洋 | | 76 | 山田 康太 |
| 22 | 遠藤 渓太 | | 48 | 新保 海鈴 |
| 10 | 東 慶悟 | | 33 | 室井 彗佑 |
| 33 | 俵積田 晃太 | | 91 | ルキアン |
FW | 19 | マルセロ ヒアン | FW | 9 | 櫻川 ソロモン |
GK | 13 | 波多野 豪 | GK | 1 | フェリペ メギオラーロ |
FP | 5 | 長友 佑都 | FP | 5 | 福森 晃斗 |
| 16 | 佐藤 恵允 | | 7 | 鈴木 武蔵 |
| 26 | 長倉 幹樹 | | 8 | 山根 永遠 |
| 28 | 野澤 零温 | | 10 | ジョアン パウロ |
| 30 | 岡 哲平 | | 13 | 小川 慶治朗 |
| 32 | 土肥 幹太 | | 22 | 岩武 克弥 |
| 37 | 小泉 慶 | | 28 | 熊倉 弘貴 |
| 39 | 仲川 輝人 | | 39 | 遠藤 貴成 |
| | | 得点 | 4' | | 櫻川 ソロモン |
東 慶悟 | | 59' | 交代 | | | |
仲川 輝人 | | | |
マルセロ ヒアン | | | |
長倉 幹樹 | | | |
俵積田 晃太 | | | |
佐藤 恵允 | | | |
| | | 交代 | 64' | | 室井 彗佑 |
| | | 小川 慶治朗 |
| | | 櫻川 ソロモン |
| | | 鈴木 武蔵 |
| | | 警告 | 80' | | 山﨑 浩介 |
| | | 交代 | 83' | | 伊藤 槙人 |
高 宇洋 | | 83' | | 岩武 克弥 |
小泉 慶 | | | 村田 透馬 |
| | | | 山根 永遠 |
長倉 幹樹 | | 85' | 得点 | | | |
バングーナガンデ 佳史扶 | | 88' | 交代 | | | |
長友 佑都 | | | |
| | | 交代 | 90+10' | | 山田 康太 |
| | | 熊倉 弘貴 |
森重 真人(PK) | | 90+13' | 得点 | | | |